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林業試験場

カラマツミキモグリガ

カラマツミキモグリガ
被害の特徴
樹 種 カラマツ。
部 位 幹・枝。
時 期 被害は通年観察される。
状 態 幹や枝から虫糞の混じったヤニがでる。
秋から春では樹皮内に幼虫や蛹がみられる。
幼虫・蛹 幼虫は体長最大約11mm。頭部は茶色。胸腹部は灰色、頭部近くの背面は暗い茶色。尾端背面は暗い茶色。茶色から灰色。蛹や蛹殻は春にみられ、茶色。

 寄主であるカラマツ属は北海道に自生しないため、北海道では外来種と考えられる。


和名  カラマツミキモグリガ

学名  Cydia laricicolana

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、ハマキガ科Tortricidae


形態  上述のとおり(文献1984参照)。

生態  宿主はカラマツ。樹皮を食べる(文献1984)。
 年1世代、樹皮内で幼虫で越冬する;5月下旬~6月上旬に樹皮内で糞をつづって繭を作り蛹になる;成虫は6月下旬~7月上旬に出現;幼虫は樹皮内に潜り、夏から翌春にかけて内樹皮を食べて成長する(文献1984)。

分布  北海道(文献1984)。

被害観察地域 (樹木害虫発生統計資料に基づく)

被害と防除  カラマツ林でまれに多発記録がある。10年生前後の林で多発し、枯れることはないが、成長が遅れる原因になる(文献1984)。防除は普通必要とされない。


文献
[1984] 鈴木重孝・駒井古実, 1984. 北海道における針葉樹を摂食する小蛾類. 北海道林業試験場報告, 22: 85-129. (形態、生態)

2011/3/31