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林業試験場

ナシヒメシンクイ

ナシヒメシンクイ
被害の特徴
樹 種 リンゴ、ナシ、モモ、スモモなどバラ科果樹。
部 位 果実・新芽の内部。
時 期 春~秋。
状 態 果実・新芽に潜り、糞を出しながら内部を食べる。 内部に幼虫がいる。
幼 虫 体長最大約12mm。頭部は黄褐色。頭部のすぐ後の背面と尾端の背面は淡褐色。淡褐色の斑点がある。

和名  ナシヒメシンクイ

学名 命名者  Grapholita molesta (Busck)

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、ハマキガ科Tortricidae


生態  寄主はバラ科果樹の果実。
 寒冷地では年2~3回発生。老熟幼虫で越冬する。幼虫は、春は新芽に潜り、糞を出しながら根元に向かい食い進む。果実がなると、そちらを食害する。

分布  北海道・本州・四国・九州、ほぼ全世界の温帯。

被害と防除  リンゴ、ナシ、モモ、スモモなどバラ科果樹の重要害虫で、果樹園では防除が行われている。庭の果樹にも発生する。被害果をみつけたら摘み取って処分し、害虫の発生量を減らす。果樹以外の樹木(ハマナス、ナナカマドなど)に被害果があれば、これも処分する。


文献
[1976] 駒井古実, 1976. モモ, リンゴ, ナシの果実に食入するシンクイムシ類の見分け方. 植物防疫, 30: 245-252. (形態、生態)
[1986] 山口昭・大竹昭郎(編集), 1986. 果樹の病害虫, 診断と防除. 全国農村教育協会, 東京. (形態、生態、被害、防除)

2001/9/30