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林業試験場

リンゴシロヒメハマキ

リンゴシロヒメハマキ

写真1 終齢幼虫、体長10mm。美唄市、シラカンバ、1989/6/29。

写真2 写真1の幼虫の巣。1989/6/29。

写真3 雄成虫、開張15mm。写真1を飼育。

被害の特徴
樹 種 リンゴなどバラ科果樹、広葉樹。
部 位 葉。
時 期 6~7月。
状 態 葉が食べられる。葉に枯れ葉を繭状にした巣があり、中に幼虫がいる。巣の長さは15mmほど。
幼虫 体長最大約12mm。胸腹部は褐色。頭部、前胸背楯、胸脚、肛上板(尾端の背面)は黒色。

和名  リンゴシロヒメハマキ
別名 リンゴシロハマキ

学名 命名者  Spilonota ocellana (Denis et Schiffermuller)

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、ハマキガ科Tortricidae


寄主  リンゴ・ナシ・ズミ・エゾヤマザクラ・ナナカマドなどバラ科樹木、シラカンバ。

生態  北海道では年1回発生、若齢幼虫で越冬という。道内の低地では終齢幼虫が6月下旬に採れ、飼育したところ7月中旬に成虫が羽化した。幼虫は新条先端付近の若い葉を束ねて巣を作る。特に新芽を好んで食べるという。終齢幼虫の巣は枯れた葉で作られている。

分布  北海道・本州・四国・九州、北半球。

被害など  果樹園のリンゴやナシでは害虫とされ、防除の対象である。果樹以外では発生量はごく少ないため、防除は必要ない。


文献
[1957] 江崎悌三ほか, 1957. 原色日本蛾類図鑑(上): I-XIX, 1-318, pls 1-64. 保育社, 大阪.
[1969] 一色周知監修, 1969. 原色日本蛾類幼虫図鑑(下): I-VI, 1-237, pls 1-68. 保育社, 大阪.
[1977] 奥野孝夫・田中寛・木村裕, 1977. 原色樹木病害虫図鑑: I-VIII, 1-365, pls 1-64. 保育社, 大阪.
[1982] 井上寛ほか, 1982. 日本産蛾類大図鑑. Vol. 1: 1-968; Vol. 2: 1-556, pls 1-392. 講談社, 東京.

2001/4/12