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林業試験場

ツマクロテンヒメハマキ

ツマクロテンヒメハマキ

写真1 トドマツ新梢内の幼虫。美唄、1983/8/28。

写真2 アカエゾマツ新梢内の蛹。美唄市、1983/8/28。

被害の特徴
樹 種 トドマツ、エゾマツなど針葉樹。
部 位 若い枝、緑の松ぼっくり(球果)の内部。
時 期 夏。
幼 虫 幼虫は体長最大約12mm。頭は茶色、その後の背面は濃い茶色~黒色。
マツズアカシンムシとよく似ている。頭部とそのすぐ後(前胸背楯)はマツズアカシンムシでは同色だが、ツマクロテンヒメハマキでは前胸背楯が頭部より暗い。

和名  ツマクロテンヒメハマキ

学名 命名者・年  Petrova monopunctata Oku

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、ハマキガ科Tortricidae


寄主  モミ属(トドマツなど)やトウヒ属(アカエゾマツなど)の当年生枝や球果、カラマツやストローブマツの球果。

生態  年1世代。蛹越冬。成虫は5~6月に出現する。幼虫は7~8月に発生。当年生の幹や枝の内部や若い球果の内部を食べる。8月に摂食場所で白い繭を作って蛹になる。

分布  北海道・本州。

被害観察地域 (樹木害虫発生統計資料に基づく)

被害など  アカエゾマツの当年生幹の食害がまれに目立つことがある。樹形異常の原因になるとする報告もあるが、食害が樹形に与える影響は調査されていない。球果の被害はあまり問題にされたことはない。
 森林では防除が必要とされたことはない。
 庭木などで食害が目立つときは枯れた枝の中に蛹がいるので、枯れ枝を取り除いて駆除する。


文献
[1984] 鈴木重孝・駒井古実, 1984. 北海道における針葉樹を摂食する小蛾類. 北海道林業試験場報告, 22: 85-129.

2001/12/23