オビカレハ Malacosoma neustyia testacea
写真1 中齢幼虫。美唄、庭のエゾヤマザクラ。1994/6/7。 | 写真2 終齢幼虫、体長35mm。写真1を飼育。1994/6/21。 | 写真3 雌成虫、体長16mm。写真1を飼育。 |
写真4 中齢幼虫の集団。苫小牧、エゾノコリンゴ。2009/6/9。 | 写真5 卵塊。美唄、サンザシ。2009/4/14。 |
樹種 | サクラやヤナギなど広葉樹。 |
部位 | 葉。 |
時期 | 6~7月。 |
状態 | 葉がなくなる。毛虫(幼虫)がいる。枝や葉に膜のように密に糸が張られている。 |
幼虫 | 体長最大約60mm。小さなときは体は黄色で黒い縦縞があり、頭部は黒い。成長すると体の横側や頭部が青くなる。 |
和名 オビカレハ
別名 ウメケムシ、天幕毛虫(テンマクケムシ)
学名 命名者 Malacosoma neustyia testacea (Motschulsky)
分類 チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、カレハガ科Lasiocampidae
寄主 アンズ、ウメ、カイドウ、サクラ、スモモ、バラなどのバラ科樹木、ヤナギ類、ミズナラ、クリなど各種の広葉樹。カラマツ(文献1975)。
生態 生活環は下表のとおり(文献1985)。年1回発生、卵で越冬;春に孵化した幼虫は枝などの上に糸を張りテントのような巣を作る;このため天幕毛虫とも呼ばれる;日中は巣で過ごし、夜に葉を食べる;終齢になると分散する;老熟幼虫は黄色い粉をまぶした繭を作り蛹になる;雌成虫は細枝に卵を並べてリング状に産み付ける(文献1985)。
発育ステージ | ~3月 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11~ |
卵 | ◇◇◇ | ◇◇◇ | ◇◇◇ | ◇◇ | ◇◇◇ | ◇◇◇ | ◇◇◇ | ◇◇◇ | |
幼虫 | ◆◆◆ | ◆◆◆ | ◆ | ||||||
蛹 | +++ | ||||||||
成虫 | ◎◎ | ◎ |
分布 北海道・本州・四国・九州。
被害と防除 道内各地で庭木などで単木的にしばしば多発する。木を丸坊主にすることがあるが、木を枯らした記録はない。
幼虫を巣ごと除去して駆除する。触ると体毛が皮膚に刺さることがあるのでゴム手袋をすること。
文献
[1975] 山口博昭・小泉力, 1975. 昭和49年度に発生した森林害虫と最近10年間の発生状況. 北方林業, 27: 111-114.
[1985] 林康夫・吉田成章・小泉力・高井正利・秋田米治・福山研二・前田満・柴田義春・中津篤・田中潔・遠藤克昭・松崎清一・佐々木克彦, 1985. 北海道樹木病害虫獣図鑑. 223pp. 北方林業会, 札幌. (北海道での生態、カラー写真)