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林業試験場

マツノマダラメイガ

マツノマダラメイガ

写真1 幼虫。ストローブマツ球果。1961/9/12。

被害の特徴
樹 種 マツ属、エゾマツなどトウヒ属、トドマツなどモミ属。
部 位 松ぼっくり。ときに新梢や若い枝
時 期 ほぼ通年。
状 態 松ぼっくりから虫糞がでる。内部に幼虫がいる。
新梢が折れ曲がる、先が枯れる。内部に幼虫がいる。
幼虫 体長最大約22mm。頭部は赤黒い。胸腹部は濁った黄土色、背中は暗く紫がかる。背中に不鮮明な多数の暗い縦縞と赤黒い斑点がある。
マツノシンマダラメイガに似るが、体の黒い斑点の部分が盛り上がらない点で区別できる。

和名  マツノマダラメイガ

学名  Dioryctria abietella

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、メイガ科Pyralidae


寄主  トドマツ、トウヒ属(エゾマツなど)、カラマツ、マツ属、スギの球果;ときに若枝に潜る(文献1984)。

生態  北海道では年1世代、ときに年2世代;幼虫で越冬;成虫は6月下旬~7月中旬に出現(文献1984)。被害球果は成熟せずに落下し、幼虫は10月頃に地中に潜り、うすい繭を作って幼虫のまま越冬し、翌春5~6月に蛹化し、ついで羽化する(文献1943)。
 卵は1個または小塊で産みつけられる;球果内にはときに数匹の幼虫が見られる(文献1943)。

分布  北海道・本州、ヨーロッパ、北米。

被害と防除  針葉樹の球果害虫である(文献1984)。被害球果は未熟なまま落下するため、種子生産量が減少し、天然更新が阻害される(文献1943)。
 落下した被害球果は集めて処分する(文献1943)。


文献
[1943] 松下眞幸, 1943. 森林害蟲學. 410pp. 冨山房, 東京. (形態、生態、被害、防除、過去の文献;マツノマダラメイガとマツノシンマダラメイガを混在している可能性が高いため、球果被害に関する部分のみを引用、ただし、引用部分の出典は確認していない)
[1984] 鈴木重孝・駒井古実, 1984. 北海道における針葉樹を摂食する小蛾類. 北海道林業試験場報告, 22: 85-129. (分類、形態、生態)

2001/12/26