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林業試験場

オオクシヒゲシマメイ

オオクシヒゲシマメイ

写真1 終齢幼虫、体長25mm。様似町、ミズナラ。1993/6/25。

写真2 写真1の幼虫の巣。1993/6/25。

写真3 雌成虫、体長11mm。写真1を飼育。

被害の特徴
樹 種 ミズナラ、クリ。
部 位 葉。
時 期 6月。
状 態 葉が巻かれて、食べられる。葉は糸で合わされている。葉表を内側にして縦方向の筒状に巻かれる。中に単独ないしは数匹の幼虫がみられる。体長最大約30mm。

和名  オオクシヒゲシマメイ

学名  Datanoides fasciatus

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、メイガ科Pyralidae


寄主  ミズナラ、クリ(文献1993)。

生態  成虫は暖地では6月と8~9月の2回出現するという(文献1982)。北海道の低地では6月下旬に老齢幼虫が採れ、飼育したところ7月上旬に繭になり7月下旬に成虫になった。秋の幼虫は観察していない。老齢幼虫は葉表を内側にして縦方向の筒状に巻いて巣を作り、その中に単独ないしは数頭でいた。

分布  北海道・本州・四国・九州、サハリン、シベリア南東部、朝鮮半島。

被害と防除  北海道では1979年と1980年に天然のミズナラ林で多発した記録がある(文献1980、1981)。被害による枯死木の発生は記録されていない。森林では防除の必要はないと考えられる。


文献
[1980] 小泉力(北海道森林昆虫談話会), 1980. 昭和54年度北海道に発生した森林害虫. 北方林業 32: 159-163.
[1981] 小泉力(北海道森林昆虫談話会), 1981. 昭和55年度北海道に発生した森林害虫. 北方林業, 33: 155-159. (被害記録)
[1982] 井上寛ほか, 1982. 日本産蛾類大図鑑. Vol. 1: 1-968; Vol. 2: 1-556, pls 1-392. 講談社, 東京.
[1993] 寺本憲之, 1993. 日本産鱗翅目害虫食樹目録(ブナ科). 滋賀県農業試験場研究報告別号, 1: 1-185. (寄主)

1994/2/25