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林業試験場

オオトビスジエダシャク

オオトビスジエダシャク

写真1 幼虫。美瑛町、イチイ。1981/9。

写真2 写真1に同じ。

写真3 被害。東神楽町、イチイ。1981/9/12。

写真4 若齢幼虫、体長9mm。新得町、シラカンバ。19937/25。

写真5 中齢幼虫、体長20mm。写真4と同じ個体。19937/30。

写真6 老齢幼虫、体長30mm。写真4と同じ個体。1993/8/7。

被害の特徴
樹 種 針葉樹、広葉樹、草本。イチイで被害例がある。
部 位 葉。
時 期 6~9月。
状 態 葉が食べられる、なくなる。枝や葉上に幼虫がいる。被害木の下の地面に虫糞がある。
幼虫 体長最大約35mm。 頭部より胸部が太い。
腹脚は尾端近くに2対。

和名  オオトビスジエダシャク

学名  Ectropis excellens

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、シャクガ科Geometridae


寄主  イチョウ、イチイ、スギ、カバノキ、ブナ、クリ、タデ、バラ、スイカズラ、アヤメなど(文献1987)。

生態  蛹越冬、年2回発生(文献1987)。北海道では詳しい調査は行われていない。蛹化は落葉中で行われる。

分布  北海道・本州・四国・九州・琉球、朝鮮、ヨーロッパ(文献1987)。

被害  イチイで1例だけ激しい食害が観察されている(写真3、文献1982)。 被害実態は不明であるが、常緑針葉樹は一般に食葉性害虫に被害に弱く、枯れることがある。多発した場合は防除が必要と考えられる。


文献
[1982] 小泉力(北海道森林昆虫談話会), 1982. 昭和56年度北海道に発生した森林害虫. 北方林業, 34: 168-172.
[1987] 杉敏郎(編集), 1987. 日本産蛾類生態図鑑: 1-453, pls 1-120. 講談社, 東京.

2010/8/31