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セブトエダシャク

セブトエダシャク

写真1 老齢幼虫、体長47mm。新得、シラカンバ。1990/7/22。

被害の特徴
樹 種 広葉樹。
部 位 葉。
時 期 春から夏。
状 態 葉が食べられる、なくなる。幼虫がみられる。
幼 虫 体長最大約60mm。体は緑色、ざらざらした感じでつやがない。背中に茶色の斑紋があるが、その大きさは変異がある。頭部は暗い茶色で、両側が角張る。
腹脚は尾端近くに2対。

和名  セブトエダシャク

学名  Cusiala stipitalia

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、シャクガ科Geometridae


形態  幼虫は終齢で体長34~58mm。体は緑色、細かな顆粒に覆われビロード状。褐色の斑紋の大きさは変異があり、良く発達した個体では斑紋が胸部第2節から腹部第8節までの背面を縦に走り、腹部第2~5、8各節で側方に張り出す。頭部は暗褐色、背面両側で角張る。胸脚は暗褐色。

寄主  ポプラ、ダケカンバ、リンゴ、イヌザンショウ、カンキツ、アカメガシワが記録されている。北海道ではシラカンバ、ウダイカンバから採れた。

生態  年2化、蛹越冬、成虫は春と夏に出現するという。北海道の低地では終齢幼虫が7月下旬に採れ、飼育下では8月上旬に蛹化、8月下旬に成虫になった。

分布  北海道・本州・四国・九州、朝鮮半島、シベリア南東部。

被害など  果樹園のリンゴでは害虫とされている。それ以外の樹木では発生量はごく少なく、防除は必要とされない。


文献
[1957] 江崎悌三ほか, 1957. 原色日本蛾類図鑑(上): I-XIX, 1-318, pls 1-64. 保育社, 大阪.
[1975] 佐藤力夫・中島秀雄, 1975. 日本産シャクガ科食草目録. Ⅰエダシャク亜科. 蛾類通信, Suppl. 2: 1-56.
[1982] 井上寛ほか, 1982. 日本産蛾類大図鑑. Vol. 1: 1-968; Vol. 2: 1-556, pls 1-392. 講談社, 東京.
[1986] 山口昭・大竹昭郎(編集), 1986. 果樹の病害虫, 診断と防除. 全国農村教育協会, 東京. (形態、生態、被害、防除)
[1987] 杉敏郎(編集), 1987. 日本産蛾類生態図鑑: 1-453, pls 1-120. 講談社, 東京.

1991/5/1