森林研究本部へ

林業試験場

セグロシャチホコ

セグロシャチホコ

写真1 幼虫。美唄市。1961/8/21。

写真2 幼虫、体長18mm。美唄市、ヤナギの1種。2001/8/6。

写真3 蛹、体長14mm。美唄市、ドロノキ葉上。2001/8/6。

写真4 成虫。

写真5 卵塊。美唄市、ポプラ。1961/8/23。

写真6 2齢幼虫。美唄市、ポプラ。1961/8/23。

被害の特徴
樹 種 ポプラやヤナギ。
部 位 葉。
時 期 春と秋。
状 態 葉が食べられる、なくなる。毛虫(幼虫)や蛹がみられる。林床に虫糞がある。
幼虫 体長最大約40mm。体は茶色、背中に2本の黄色の縦縞があり、その間に白点が対になって並ぶ。頭部は黒い。

和名  セグロシャチホコ

学名  Clostera anastomosis

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、シャチホコガ科Notodontidae


寄主  ポプラ類、ドロノキ、ヤナギ類などヤナギ科(文献1985)。

生態  生活環は下表のとおり(文献1985)。年2世代(ときに3世代);蛹越冬、ときに幼虫越冬;雌成虫は葉裏に卵をかためて産み付ける;幼虫は小さなときは集団で葉を食べるが、のちに分散する;夏は葉を巻き、うすい繭を作り蛹になる;幼虫は晩秋に樹皮の割れ目や地際で糸を吐いて集団で越冬するか、10月上旬までに蛹になり越冬する(文献1985)。

 発育ステージ ~3月   4    5    6    7    8    9   10   11~
 蛹(越冬) +++ +++ +                   ?++ +++
 成虫・卵         ◎◎◎ ◎                      
 幼虫(摂食・成長)             ◆◆◆ ◆◆                 
 蛹                  ++ +              
 成虫・卵                     ◎◎◎            
 幼虫(摂食・成長)                       ? ◆◆◆ ◆◆     

分布  北海道・本州・四国・九州、アジア、ヨーロッパ。

被害観察地域 (樹木害虫発生統計資料に基づく)

被害など  ポプラやドロノキで多発することがあるが、食害によるや木の枯死は記録がない。森林では普通、防除は必要ない。


文献
[1985] 林康夫・吉田成章・小泉力・高井正利・秋田米治・福山研二・前田満・柴田義春・中津篤・田中潔・遠藤克昭・松崎清一・佐々木克彦, 1985. 北海道樹木病害虫獣図鑑. 223pp. 北方林業会, 札幌. (北海道での生態、カラー写真)

2010/3/31