森林研究本部へ

林業試験場

リンゴスガ

リンゴスガ

写真1 終齢幼虫の集団、体長18mm。美唄市、庭のリンゴ、1994/6/13。

写真2 写真1の拡大。

写真3 雄成虫、体長10mm。写真1を飼育。

写真4 被害。美唄、リンゴ。1999/6/20。

被害の特徴
樹 種 リンゴ、ズミ。
部 位 葉。
時 期 春。
状 態 葉や枝に糸が張り巡らされる。幼虫や繭がみられる。幹や枝が糸でびっしりと覆われる。
幼 虫 体長最大約20mm。体は暗い灰色、頭部と胸脚は黒色、前胸背楯は黒く、中央に白い縦線がある。

和名  リンゴスガ

学名   Yponomeuta malinellus

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、スガ科Yponomeutidae


寄主  リンゴ属(リンゴ、ズミなど)。

生態  年1世代。1齢幼虫で越冬。幼虫は5月に集団で葉や枝上に糸を縦横に粗く張り巡らす。6月にはいると樹上で白い繭を作って蛹になる。6月中旬~7月に繭から成虫が羽化する。雌成虫は細枝に卵をまとめて産み、黒っぽい物質で卵を隠す。夏に卵から幼虫が孵化するが、成虫により作られた卵の被覆物の下で翌春までじっとしている。

分布  北海道・本州、ユーラシア、北米。

被害など  ときに多発する。食害により葉がほとんどなくなることがあるが、夏までには葉を回復する。食害で木が枯れた記録はない。森林では防除は普通必要とされない。庭木などでは、幼虫集団をみつけたら取り除いて駆除する。


文献
[1977] 奥野孝夫・田中寛・木村裕, 1977. 原色樹木病害虫図鑑. 365pp. 保育社, 大阪.
[1982] 井上寛ほか, 1982. 日本産蛾類大図鑑. Vol. 1: 1-968; Vol. 2: 1-556, pls 1-392. 講談社, 東京.

1995/1/17