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ハンノキスイコバネ

ハンノキスイコバネ

写真1 潜葉中の幼虫。美唄、コバノヤマハンノキ、2000/5/23。

写真2 幼虫、体長6mm。美唄、コバノヤマハンノキ、2000/5/23。

写真3 被害葉。美唄、コバノヤマハンノキ、2000/5/23。

写真4 成虫(左雄・右雌)、体長約5mm。美唄、2000/4/30。

被害の特徴
樹 種 ケヤマハンノキ、コバノヤマハンノキ。
時 期 5月(幼虫加害時期)。
部 位 葉。
状 態 葉が部分的に淡い茶色になり、その内部に幼虫や糸状につながった糞がみられる。
幼虫は体長最大6mm。

和名  ハンノキスイコバネ(文献1993)

学名 命名者・年  Eriocrania sakhalinella Kozlov, 1983

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、スイコバネガ科Eriochranidae


生態  寄主はコバノヤマハンノキ、ケヤマハンノキ(文献1993)。
 年1回発生:4月中下旬、冬芽が開く頃に成虫が現れる;羽化期間は4~7日;雌成虫は葉脈に産卵管を突き刺して1~4卵を産む;雌成虫の産卵期間は3~4日である;産卵後、5日ほどで幼虫が孵化する;幼虫ははじめは線状に潜葉するが、後には葉全体に広がるように潜る;6月はじめ4齢幼虫は三日月状の脱出口を開けて外に出て、土壌中で繭を作り、その中で越冬する;翌春の4月上旬に繭内で蛹になる(文献1993)。

被害など  幼虫の潜葉部位は茶色に枯れて目立つ。まれに森林で発生量が多いことがあるが、実害はない。防除は普通必要とされない。


文献
[1993] 東浦康友, 1993. ハンノキスイコバネとマイマイガの一見不合理な産卵場所選択. 東正剛・阿部永・辻井達一 (編集), 生態学からみた北海道: 333-340. 北海道大学図書刊行会, 札幌. (生態)

2001/8/24