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林業試験場

写真1 被害部位の拡大。美唄市、庭のオオヤマザクラ、2001/5/8。

写真2 幼虫、体長13mm。写真1の樹皮を剥がしたところ。

 
樹種サクラ、オウトウ、ウメ、スモモ、モモ、ナシ、リンゴなどのバラ科樹木。
部位幹や枝。
時期通年。
状態ヤニや糞がでる
幼虫体長最大約25mm。体は淡い茶色。頭部は茶色。
被害の特徴

和名  コスカシバ

学名  Synanthedon hector 

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、スカシバガ科Sessidae


 

寄主  サクラ、オウトウ、ウメ、スモモ、モモ、ナシ、リンゴなどのバラ科樹木の幹や枝の樹皮下。

生態  年1化。幼虫越冬。発育の個体差が大きくいため、幼虫は1年中みられる。成虫も春から秋までみられるが、出現ピークは9月。雌成虫は樹皮の隙間に卵を1個ずつ産み付ける。幼虫は主に内樹皮を食べて成長し、そこで越冬する。翌春、再び加害を開始する。

分布  北海道・本州・四国・九州、朝鮮半島・中国東北部。

被害など  公園や街路樹で多発することがある。被害木は樹勢が衰え、胴枯病などを併発して枯れることもあるといわれている。ヤニや虫糞が出ているところを削って中の幼虫を除去する。細い被害枝は付け根から切り取る。樹皮を削り取った部分や枝の切り口には塗布剤を塗ること。


 

文献 
[1977] 奥野孝夫・田中寛・木村裕, 1977. 原色樹木病害虫図鑑. 365pp. 保育社, 大阪. (生態、被害、防除)

2001/8/11