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林業試験場

アカバキリガ

アカバキリガ

写真1 中齢幼虫、体長25mm。美唄、シラカンバ。1989/6/29。

写真2 幼虫の巣。美唄、シラカンバ。1989/6/15。

写真3 終齢幼虫、体長21mm。美唄、シラカンバ。1994/6/20。

写真4 雄成虫、体長13mm。写真3を飼育。

被害の特徴
樹 種 落葉広葉樹。
部 位 葉。
時 期 6月。
状 態 葉が食べられる。葉が糸で袋状に綴り合わされ、中に幼虫がいる。
幼 虫 体長最大約40mm。頭部は若~中齢では黒色、終齢では赤褐色で前方が暗い。体の色彩は中~終齢であまり変化しないが、中齢では赤味が弱い。類似した幼虫はない。

和名  アカバキリガ

学名  Orthosia carnipennis

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、ヤガ科Noctuidae


寄主  ブナ科(クヌギ、カシワ、コナラ)、バラ科(サクラ、ナシ、リンゴ)、ニレ科(エノキ)など。北海道ではシラカンバ、ウダイカンバ、ミズナラから採れた。

生態  年1化。成虫は3~5月に出現、幼虫は5~6月に出現、蛹越冬という。北海道の低地や低山地では6月下旬に中~終齢幼虫が採れ、飼育したところ7月中旬に繭を作り、翌春に成虫になった。幼虫は葉を縦に2つ折りし、内側を糸で厚く綴って、その中にいる。

分布  北海道・本州・四国・九州、アム-ル、中国、朝鮮半島、台湾。

被害  害虫図鑑などに載っていることがあるが、北海道では多発記録はない。


文献
[1958] 江崎悌三ほか, 1958. 原色日本蛾類図鑑(下): I-V, 1-303, pls 65-136. 保育社, 大阪.
[1965] 一色周知, 監修, 1965. 原色日本蛾類幼虫図鑑(上): 1-238, pls 1-60. 保育社, 大阪.
[1982] 井上寛ほか, 1982. 日本産蛾類大図鑑. Vol. 1: 1-968; Vol. 2: 1-556, pls 1-392. 講談社, 東京.
[1987] 杉敏郎(編集), 1987. 日本産蛾類生態図鑑: 1-453, pls 1-120. 講談社, 東京.

1992/3/2