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アケビコノハ

アケビコノハ

写真1 幼虫、体長40mm。美唄、ミツバアケビ。1995/7/7。

写真2 雄成虫、体長30mm。写真1の幼虫を飼育。

被害の特徴
樹 種 アケビやメギ。
部 位 葉。
時 期 6~7月。
状 態 葉が食べられる、なくなる。枝や葉上に幼虫がいる。被害木の下の地面に虫糞がある。
幼 虫 体長最大約75mm(写真1)。体は黒色、茶色、または緑色。背中に2対の目玉模様がある。刺激すると体を曲げて、目玉模様のある部分を突き出し、尾端を上げる。

和名  アケビコノハ

学名  Adris tyrannus

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、ヤガ科Noctuidae


寄主  アケビ科、メギ科、ツヅラフジ科

生態  年2化、成虫越冬、幼虫は5~6月と7~9月に出現する(文献1965)。
 北海道の低地では老齢幼虫が7月に採れ、室内飼育したところ8月に成虫が羽化したので、年1化のように思われる。

分布  北海道・本州・四国・九州・琉球、アムール、中国、台湾、東南アジア、インド。

被害と防除  庭木で多発することがある。多発は1年で終わり、食害による樹勢の低下や枯死は報告がない。気になるときは幼虫を取り除いて駆除する。
 成虫はリンゴやナシなどの果実を加害する。果樹園では防除が行われている。


文献
[1965] 一色周知(監修), 1965. 原色日本蛾類幼虫図鑑(上): 1-238, pls 1-60. 保育社, 大阪.
[1982] 井上寛ほか, 1982. 日本産蛾類大図鑑. Vol. 1: 1-968; Vol. 2: 1-556, pls 1-392. 講談社, 東京.
[1987] 杉敏郎(編集), 1987. 日本産蛾類生態図鑑: 1-453, pls 1-120. 講談社, 東京.

2001/10/6