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ムクゲコノハ

ムクゲコノハ

写真1 幼虫、体長75mm。美唄、シラカンバ。1989/7/13。

写真2 雄成虫、体長30mm。写真1を飼育。

写真3 幼虫。美唄、ムクゲ。1962/7/20。

被害の特徴
樹 種 クルミなど落葉広葉樹。
部 位 葉。
時 期 6~8月。
状 態 葉が食べられる、なくなる。枝や幹に幼虫がいる。
幼 虫 体長最大約90mm(写真1、3)。体の中央背面に青く丸い斑紋がある。色彩は成長とともに多少変化し、同じ大きさでも変異がある。

和名  ムクゲコノハ

学名  Logoptera juno

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、ヤガ科Noctuidae


寄主  コナラ、クヌギ、クリ、オニグルミ、サワグルミ(文献1965、1987)。北海道ではシラカンバ、ベルコーザカンバからも採れた。

生態  成虫は4~9月に、幼虫は6月と8月に出現する(文献1958、1965、1982、1987)。越冬態は不明。北海道の低地では終齢幼虫が7月に採れ、飼育下では7月中旬~8月中旬に成虫になったので、年1回の発生の可能性もある。
 幼虫は日中、樹幹などに潜んでいるという。

分布  北海道・本州・四国・九州・琉球、朝鮮半島、中国、台湾、インド。

被害  クルミでは害虫とされる。


文献
[1958] 江崎悌三ほか, 1958. 原色日本蛾類図鑑(下): I-V, 1-303, pls 65-136. 保育社, 大阪.
[1965] 一色周知(監修), 1965. 原色日本蛾類幼虫図鑑(上): 1-238, pls 1-60. 保育社, 大阪.
[1982] 井上寛ほか, 1982. 日本産蛾類大図鑑. Vol. 1: 1-968; Vol. 2: 1-556, pls 1-392. 講談社, 東京.
[1987] 杉敏郎(編集), 1987. 日本産蛾類生態図鑑: 1-453, pls 1-120. 講談社, 東京.

2001/11/5