森林研究本部へ

林業試験場

ヒメササマタハダニ

ヒメササマタハダニ
被害の特徴
樹 種 ササ類、タケ類。
部 位 葉。
時 期 春~秋(加害時期)。
状 態 葉に直径0.5mm前後の白い斑点が現れ、葉全体が白化することもある。
ルーペで観察すると葉の裏側に糸やごく微小なダニがみられる。
ダニは最大長約0.4mm。淡い黄緑色。ササ類・タケ類にはケウスハダニも寄生するが、ヒメササマタハダニは胴背毛が寝ていて動きがゆったりとしているのに対し、ケウスハダニは胴背毛が逆立っているように見え動きがせわしない。

和名  ヒメササマタハダニ(文献2007など)

学名 命名者・年  Schizotetranychus recki Ehara, 1957

分類  ダニ目Acari、ケダニ亜目Prostigmata、ハダニ科Tetranychidae


形態  上記のとおり(詳細は文献1993、2007)。カラー写真が文献1993にある。

寄主  ササ類、タケ類(文献1993、2007)。

生態  葉裏に寄生する;卵越冬;札幌では5月上旬から孵化が始まり、6~7月に個体数はピークとなり、9月上旬から雌は休眠卵を産み始める(文献2007)。葉毛数本を支柱として糸で巣網を張る;越冬卵は必ず網に覆われている(文献1993)。

分布  北海道・本州・四国・九州(文献1993)。

被害  ササやタケの害虫とされている(文献2006)。庭園のササやタケの植え込みに被害が著しいことがある(文献1993)。


文 献
[1993] 江原昭三(編), 1993. 日本原色植物ダニ図鑑. 298 pp. 全国農村教育協会, 東京.
[2006] 日本応用動物昆虫学会(編集), 2006. 農林有害動物・昆虫名鑑, 増補改訂版. 387pp. 日本応用動物昆虫学会, 東京.
[2007] 江原昭三・後藤哲雄・上遠野富士夫・岡部貴美子, 2007. 植物ダニ類の見分け方. 120pp. 日本植物防疫協会, 東京.

2010/3/31