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林業試験場

カラマツタネバエ

カラマツタネバエ

写真1 被害球果(右2個)と無被害球果(左)。美唄、カラマツ。1988/6/25。

写真2 幼虫、球果から出して撮影。美唄、カラマツ。1988。

写真3 蛹。美唄、カラマツ。1988/6/28。

写真4 卵(芽の根元近くの白く細長いもの)。美唄、カラマツ。1991/5/10。

写真5 産卵中の雌成虫。美唄、カラマツ。1994/4/27。

被害の特徴
樹 種 カラマツ、グイマツ。
時 期 5~7月。
部 位 球果(松ぼっくり)。
状 態 若い松ぼっくりの付け根近くが茶色に変わり、変形する。
内部に幼虫がいる。
幼 虫 幼虫は体長最大約6mm。ほぼ白色。脚がない。頭部も不明瞭で、黒い縦に長いもの(大あご)が透けて見える。

 寄主であるカラマツ属が北海道に自生しないため、北海道では外来種と考えられる。


和名  カラマツタネバエ

学名  Lasiomma laricicola

分類  ハエ目(双翅目)Diptera、ハナバエ科Anthomyiidae


生態  寄主はカラマツ、グイマツの球果。
 年1世代。蛹で越冬。成虫は4月下旬~5月上旬に羽化する。雌成虫はカラマツの花粉の飛散が終了する頃、若い球果の根元付近に産卵する。孵化した幼虫は球果内に食い入り、種子を食べて成長する。7月に幼虫は外に出て落葉層中で蛹になる。

分布  北海道・本州、朝鮮半島、シベリア、ヨーロッパ。


文献
[1985] 林康夫・吉田成章・小泉力・高井正利・秋田米治・福山研二・前田満・柴田義春・中津篤・田中潔・遠藤克昭・松崎清一・佐々木克彦, 1985. 北海道樹木病害虫獣図鑑. 223pp. 北方林業会, 札幌. (生態、被害、カラー写真)

2002/1/6