森林研究本部へ

林業試験場

カンボクマルハバチ

カンボクマルハバチ

写真1 中齢幼虫、体長7~9mm。美唄、庭のカンボク、1999/6/29。

被害の特徴
樹 種 カンボク。
部 位 葉。
時 期 6月~7月(幼虫食害時期)。
状 態 葉に穴が開いたり、葉縁から食害される。 食害部位に幼虫や幼虫の脱皮殻が見られる。 糸、蛹、蛹の抜け殻はみられない。
幼 虫 体長最大約13mm。 たいてい白い粉状の物質の突起が多数生じ、集団で葉を摂食する(写真1)。
ハバチ科では腹部に体液の分泌腺はなく、胸脚の爪に吸盤はない。
ハバチ亜目では眼(側単眼)は左右に各1個、脱皮殻は頭部から腹部までつながり、頭部が縦中央で割れる。

和名  カンボクマルハバチ(仮称)
 成虫が得られていないため、種名は不明である。

学名   Eriocampa sp.(未決定) 

分類  ハチ目(膜翅目)Hymenoptera、ハバチ亜目(広腰亜目)Symphyta、ハバチ科Tenthredinidae


生態  寄主はカンボク。
 年1回発生;道央では幼虫が6月中旬から7月上旬頃にみられる;数十頭の集団を作り、葉に穴を開けて食べる;幼虫は葉裏にいる;卵は葉裏の主脈の横側に列状に埋め込まれる(未発表資料)。

分布  北海道。

被害  北海道では1990年代以降、庭のカンボクでときどき多発し、葉を食べ尽くす被害が発生している;多発は1年で終わっており、これまで観察した限りでは食害により木が枯れた例はない(未発表資料)。

防除  幼虫は白く目立つので、取り除いて駆除する。白い粉が皮膚についても何ともないが、気になるときは手袋をする。

2010/3/31