トドワタムシ Mindarus japonicus
写真1 幼虫。美唄、庭のトドマツ、2000/6/5。 |
| 樹種 | モミ属（モミ、トドマツなど）。 |
| 部位 | 新梢。 |
| 時期 | 5～6月（加害時期）。 |
| 状態 | 葉がそり曲がったり、黒く汚れる。アブラムシが多数みられる。 |
| 特徴 | アブラムシは体長最大約2mm。淡い緑色で体から白い綿を吹く。 |
和名 トドワタムシ
学名 命名者 Mindarus japonicus Takahashi
分類 カメムシ目（半翅目）Hemiptera、アブラムシ科Aphididae
形態 上記のとおり（詳細は文献1956、1983）。
寄主 モミ属（モミ、トドマツなど）（文献1985）。
生態 生活環の概略は下表のとおり（文献1985を改変）。年3世代、卵越冬；春に卵が孵化し、新芽に寄生し吸汁加害する；3世代目に雌雄が現れ、交尾産卵する（文献1985）。
| 発育ステージ | ～3月 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11～ |
| 卵（越冬） | ◎◎◎ | ◎◎◎ | ◎ | ◎◎◎ | ◎◎◎ | ◎◎◎ | ◎◎◎ | ◎◎◎ | |
| 幼虫～成虫（寄生・繁殖） | ◆◆◆ | ◆◆◆ | ◆ |
分布 北海道・本州（文献1985）。
被害と防除 苗畑や庭などでしばしば多発する。新葉がねじれたり湾曲する；被害木が枯れることはない（文献1985）。森林では被害記録はないようで、防除は必要ない。
文献
［1956］ 井上元則, 1956. 北海道・東北地方の針葉樹に寄生するアブラムシ. 林業試験場北海道支場業務報告, 特別報告, 5: 204-238. （形態、生態）
［1983］ 森津孫四郎, 1983. 日本原色アブラムシ図鑑. 全国農村教育協会, 東京. （形態、生態、カラー写真）
［1985］ 林康夫・吉田成章・小泉力・高井正利・秋田米治・福山研二・前田満・柴田義春・中津篤・田中潔・遠藤克昭・松崎清一・佐々木克彦, 1985. 北海道樹木病害虫獣図鑑. 223pp. 北方林業会, 札幌. （生態、被害、カラー写真）
［1994］ 小林富士雄・竹谷昭彦（編）, 1994. 森林昆虫, 総論・各論. 養賢堂, 東京. （形態、生態、被害、防除の解説）
2011/5/16