アオキシロカイガラムシ Pseudaulacaspis cockerelli
写真1 発生状況。札幌、イチイ、2003/9/5。 | 写真2 写真1の拡大。 |
樹種 | イチイに多い。他にコブシ、ホオノキ、アケビ、イヌツゲ、マタタビ、ミズキ、サンゴジュ、カツラ、イボタなど。 |
部位 | 葉、枝、幹。 |
時期 | 1年中みられる。 |
状態 | 葉に黄色の斑点ができる。白い小さな虫が多数みられる。虫は長さ約1mmで細長い(雄)、あるいは長さ2~2.5mmで扁平な洋梨形(雌)。 |
和名 アオキシロカイガラムシ
学名 命名者 Pseudaulacaspis cockerelli (Cooley)
分類 カメムシ目(半翅目)Hemiptera、マルカイガラムシDiaspididae
寄主 イチイ、コブシ、ホオノキ、アケビ、イヌツゲ、マタタビ、ミズキ、サンゴジュ、カツラ、イボタ、ヤシなど;様々な植物に寄生し、温室内の植物にも普通にみられる(文献1980)。
生態 札幌辺りでは、成虫が6月に出現、卵は7月上中旬に孵化、孵化幼虫は葉で吸汁加害し、8月になると綿状物質を分泌し目立つようになる(文献1996)。発生は年1回、幼虫越冬のようである(文献1980)。
分布 北海道・本州・四国・九州、熱帯~亜熱帯(文献1980)。
被害観察地域 (樹木害虫発生統計資料に基づく)
被害と防除 北海道で被害が確認されたのは1991年と比較的最近である(文献1992)。また、被害が報告されているのは主に札幌市など市街地のイチイである。多発すると被害葉に黄色の斑点ができる。また、虫が多数付着して見た目が悪い。木を枯らすことはないようである。
風通しの悪いところに発生しやすいので、野外では剪定して通風を良くすることで予防する(文献1977)。
文献
[1977] 奥野孝夫・田中寛・木村裕, 1977. 原色樹木病害虫図鑑. 364 pp. 保育社, 大阪. (形態、生態、防除)
[1980] 河合省三, 1980. 日本原色カイガラムシ図鑑. 455 pp. 全国農村教育協会, 東京. (分類、形態、宿主)
[1992] 福山研二・前藤薫・東浦康友・原秀穂, 1992. 平成3年度に北海道に発生した森林昆虫. 北方林業, 44: 271-274. (北海道の野外樹木における初めての被害記録)
[1996] 尾崎研一, 1996. イチイに新たな害虫イチイカタカイガラムシ. 森林保護, 256: 41-43. (生態、他のイチイのカイガラムシについても解説)