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林業試験場

写真1 カキカイガラムシの1種、体長3mm。佐呂間町、公園のシラカンバ、2000/7/12。

写真2 写真1の遠景。

 
樹種広葉樹。
部位幹、枝。
時期春~秋。1年中みられる。
状態木が黒くなる。枝または木全体が枯れる。黒いカイガラ状のものが固着する。長さは最大4mm。
備考クロカキカイガラムシとウスリーカキカイガラムシは外見では区別できない。
被害の特徴

分類  カメムシ目(半翅目)Hemiptera、マルカイガラムシ科Diaspididae


 

和名  クロカキカイガラムシ

学名 命名者  Lepidosaphes tubulorum Ferris

分布  北海道・本州・四国・九州・沖縄、中国、台湾。

寄主  シラカンバ、ハルニレ、アジサイ類、イワガラミ、ウツギ(ユキノシタ科)、イヌツゲ、イタヤカエデ、キブシ、ライラック、イボタ、ニシキウツギ(スイカズラ科)など(文献1980)。シラカンバやライラックで多発することがある(文献1994)。


和名  ウスリーカキカイガラムシ

 

学名 命名者  Lepidosaphes ussuriensis (Borchsenius)

分布  北海道・本州・四国・九州、ロシア東部。

寄主  シラカンバ、クリ、ケヤキ、サクラ、リョウブ、シャクナゲ類、ツツジ類、カキなど(文献1980)。シラカンバやカキで多発することがある(文献1980)。


 

生態  両種ともに年1回発生;卵で越冬、春に孵化する;夏に成虫になり、秋に体の下に卵を産む;卵は雌成虫の殻に被われて冬を越す(文献1980、1994)。

被害  道内では主に市街地で多くみられる。シラカンバなどに多発することがあり、煤病を併発して美観を損ねる。また、被害により枝または木全体が枯れることもあるといわれている(文献1994)。


 

文献 
[1980] 河合省三, 1980. 日本原色カイガラムシ図鑑. 455 pp. 全国農村教育協会, 東京. (分類、形態、宿主) 
[1994] 河合省三, 1994. クロカキカイガラムシ. 小林富士雄, 竹谷昭彦編集, 森林昆虫, 総論・各論: 429-430. 養賢堂, 東京.

2001/2/5