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マツコナカイガラムシ

マツコナカイガラムシ

写真1 マツコナカイガラムシと思われる幼虫、体長2mm。様似、公園のクロマツ。2000/8/10。

被害の特徴
樹 種 アカマツ、クロマツ、ゴヨウマツなど。
部 位 枝先、針葉の付け根周辺。
時 期 春~秋。1年中みられる。
状 態 木が黒く汚れる。白い粉に覆われた小さな虫が見られる。体長は最大4mm。
注) マツ属では白い粉状の物質を分泌する害虫として、他にカサアブラムシ類やマツモグリカイガラムシがある。カサアブラムシ類は体長1mm程度で肉眼では分かりにくく、白い糸状の分泌物で覆われる。マツモグリカイガラムシは寄生により枝が曲がる。

和名  マツコナカイガラムシ

学名 命名者   Crisicoccus pini (Kuwana)

分類  カメムシ目(半翅目)Hemiptera、コナカイガラムシ科Pseudococcidae


寄主  マツ属(アカマツ・クロマツ・ゴヨウマツなど)(文献1977、1980、1994)。

生態  普通は年1回発生、幼虫越冬、春に成虫になり産卵、幼虫は6月上旬頃から現れる(文献1977、1980、1994)。

分布  本州・四国・九州、朝鮮、北アメリカ(侵入)。
 北海道ではこれまで分布記録はないが、1990年代以降、日高などで本種と思われる昆虫(写真1)を観察している。

被害  煤病を併発するので木が黒く汚れ、生長が阻害されることもある(文献1994)。


文 献
[1977] 奥野孝夫・田中寛・木村裕, 1977. 原色樹木病害虫図鑑. 364 pp. 保育社, 大阪. (形態、生態、防除)
[1980] 河合省三, 1980. 日本原色カイガラムシ図鑑. 455 pp. 全国農村教育協会, 東京. (分類、形態、宿主)
[1994] 河合省三, 1994. マツコナカイガラムシ. 小林富士雄・竹谷昭彦(編集), 森林昆虫, 総論・各論: 414. 養賢堂, 東京. (形態、生態の解説)

2001/2/5