森林研究本部へ

林業試験場

マツモグリカイガラムシ

マツモグリカイガラムシ
被害の特徴
樹 種 マツ属(アカマツ、クロマツなど)。
部 位 幹、枝。
時 期 1年中(虫がみられる時期)。
状 態 幹や枝が白くなる。また、枝が垂れ下がったり、うねるように曲がったりする。木が枯れる。
枝や幹の表面や粗皮の下などに白い綿や小さな虫が見られる。
淡褐色や黄色の小判状の小さな虫は雌成虫で体長3~4mm。よく発達した脚をもち活発に動きまわる。
枝や幹の表面や粗皮の下などに小さな白い綿や赤~茶色の丸いもの(卵のかたまり、または幼虫、最大長約4mm)がみられる。

和名  マツモグリカイガラムシ
別名 マツムラカイガラムシ

学名 命名者   Matsucoccus matsumurae (Kuwana)

分類  ヨコバイ目(同翅目)Hymenoptera、ワタフキカイガラムシ科Margarodidae


寄主  アカマツ、クロマツ、タイワンアカマツ、リュウキュウマツなど様々なマツ属(文献1980、1994)。

生態  幼虫で越冬;1 年2回の発生で、成虫は春と秋に出現;雌成虫は幹や枝の樹皮に200~300粒を産卵し白色の綿状物で卵のうを覆う;幼虫は茶色で丸い;粗皮の下や葉の根元などにつく(文献1980、1994)。

分布  北海道・本州・四国・九州、中国、台湾、東部アメリカ。
 北海道では1990年に札幌市で確認され、道内における発生はこれが初めてのようである(文献1991)。

被害  林地や庭などで多発することがあり、被害木は枝が下に垂れ、ときに枝枯れを起こす;木全体が枯れることもある(文献1994)。


文 献
[1980a] 河合省三, 1980. 日本原色カイガラムシ図鑑. 455 pp. 全国農村教育協会, 東京.
[1991] 小泉力・前藤薫・東浦康友・原秀穂, 1991. 平成2年度に北海道で発生した森林昆虫. 北方林業, 43: 155-161.
[1994] 竹谷昭彦, 1994. マツモグリカイガラムシ. 小林富士雄, 竹谷昭彦編集, 森林昆虫, 総論・各論: 411-413. 養賢堂, 東京.

2003/11/20