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林業試験場

センノキカミキリ

センノキカミキリ
被害の特徴
樹 種 タラノキ・ハリギリ。
部 位 幹や太枝の樹皮の内側や材。
時 期 ほぼ通年(幼虫加害時期、冬季を除く)。
状 態 樹皮下や材内が食べられ、トンネルがある。トンネルの断面は楕円形。食べ跡には部分的に木くずが詰まる。
幼 虫 体長最大約50mm。

和名  センノキカミキリ

学名   Acalolepta luxuriosa

分類  コウチュウ目(鞘翅目)Coleoptera、カミキリムシ科Cerambycidae


形態  老熟幼虫約50mm(文献1985)。

寄主  ハリギリ・シナノキ・ヤツデ(文献1985)、タラノキ。

生態  年1回発生。幼虫で越冬、6月上旬に蛹化し、6月下旬に羽化する(文献1985)。成虫は6~8月に出現する。成虫は広葉樹の若い枝の樹皮などを食べる(文献1985)。幼虫は小さなときは材表面あたりを食べ、大きくなると材内に穿孔する。

分布  北海道・本州・四国・九州、千島、朝鮮、中国。

被害  ハリギリ造林地の若い枯れ木での発生が観察されているが、枯死の原因かどうかははっきりしない(文献1985)。1980年代に道南の栽培しているタラノキでカミキリムシの幼虫による穿孔被害が発生した例がある。種は正確に確認できていないが、本種の可能性がある。


文献
[1985] 林康夫・吉田成章・小泉力・高井正利・秋田米治・福山研二・前田満・柴田義春・中津篤・田中潔・遠藤克昭・松崎清一・佐々木克彦, 1985. 北海道樹木病害虫獣図鑑. 223pp. 北方林業会, 札幌. (北海道での生態、カラー写真)
[1994] 遠田暢男, 1994. センノカミキリ. 小林富士雄・竹谷昭彦(編集), 森林昆虫, 総論・各論: 230-231. 養賢堂, 東京. (形態、生態、防除)

2011/7/4