森林研究本部へ

林業試験場

ウスバカミキリ

ウスバカミキリ

写真1 被害孔(たぶんゴマダラカミキリ被害木)。美唄、シラカンバ、2001/6。

写真2 成虫、体長45mm。写真1の幹上、2001/8/6。

被害の特徴
樹 種 様々な樹木。
部 位 幹の腐朽や傷害のある部分の材内。
時 期 ほぼ通年(幼虫加害時期、冬季を除く)。
状 態 幹の腐朽や傷害のある部分から木くずがでる。材内に幼虫がいる。体長最大約75mm。孔道は断面が楕円形、長径最大30mm。

和名  ウスバカミキリ

学名   Megopis sinica

分類  コウチュウ目(鞘翅目)Coleoptera、カミキリムシ科Cerambycidae


寄主  キリ、ポプラ、ヤナギほか様々な樹木。病虫害等による傷害木や部分的に腐朽した木に発生しやすい。

生態  成虫は朽ち始めた枝の切り口など腐朽部位に産卵し、幼虫はそこから材内深く穿孔し、健全な材部にも侵入する;幼虫は材部を食べて成長し、木くずを外に排出する;1世代に2年以上を要する;成虫は夏に出現、夜行性で日中は幹の根元や腐朽部位に隠れている。雌成虫は幹や枝の腐朽したところに産卵する。

被害と防除  北海道では被害はほとんど記録されていないが、普通種である。街路樹などが高齢化するにつれ注意が必要と考えられる。
 腐朽がある木が被害を受けるので、生立木に腐朽が発生しないよう管理することが重要である。


文献
[1984] 館和夫, 1984. 道南地方の樹木病害虫(広葉樹編-I). 光珠内季報, 59: 1-4.
[1986] 山口昭・大竹昭郎(編), 1986. 果樹の病害虫, 診断と防除. 全国農村教育協会, 東京. (形態、生態、被害、防除)
[1994] 遠田暢男, 1994. ウスバカミキリ. 小林富士雄・竹谷昭彦(編集), 森林昆虫, 総論・各論: 219-220. 養賢堂, 東京. (形態、生態、防除)

2001/10/6