ヒバノキクイムシ Phloeosinus perlatus
樹種 | ヒバ、ヒノキ、サワラ、ビャクシンなど。 |
部位 | 幹や大枝の樹皮下。 |
時期 | 春~夏。 |
状態 | 衰弱木が枯れる。 樹皮下に細い孔道がある。孔道内には成虫・幼虫・蛹がみられる。 雌成虫の孔道(母孔)は太さが一定で、縦(軸方向)に走る。幼虫の孔道は母孔の左右に延び、長さ4~6cm、先端に向かい徐々に太くなる。その先端はやや広い部屋(蛹室)になる。 |
幼虫 | 体長最大約4mm、乳白色、脚はない。 |
成虫 | 体長約3mm。体はほぼ卵形。光沢のない黒褐色、上翅は赤みを帯びる。 前胸は前方に向かい狭くなる。 |
和名 ヒバノキクイムシ
別名 ヒバノキクイ
学名 Phloeosinus perlatus
分類 コウチュウ目(鞘翅目)Coleoptera、キクイムシ科Scolytidae
形態 成虫・幼虫については上記のとおり(文献1943参照)。
寄主 スギ、ヒバ、ヒノキ、ベニヒ、サワラ、ビャクシン、イチイ(文献1943)。
生態 年1回発生のようである。主に成虫で越冬する;成虫は4~5月頃から発生し、衰弱木や新鮮な伐採木の幹や太い枝に好んで寄生し、樹皮下に母孔を縦に作る;母孔の壁に50~60個の卵を産む;孵化した幼虫は母孔から左右に穿孔し、幼虫の孔道は多少波状に曲り、4~6cmに達する;老熟した幼虫は孔道の末端に木質部に陥入するやや広い蛹室を作り、蛹化する;羽化した成虫は8月頃に蛹室の樹皮に丸い穴をあけて外界に脱出する;成虫は青変菌を随伴する(文献1943)。
分布 北海道南部・本州・四国、朝鮮半島、台湾(文献1943)。
被害 生理的に障害のある樹皮に寄生する;本州ではヒバ、ヒノキの20年生前後の林に最も多く発生し、朝鮮半島では山地や庭園のビャクシンの被害が多いと言われている(文献1943)。
防除 林内の衰弱木は伐採・処分し、倒木等もすみやかに処分し、増殖を予防する(文献1943)。
文献
[1943] 松下眞幸, 1943. 森林害蟲學. 410pp. 冨山房, 東京. (形態、生態、被害、防除の概要;なお、上記引用部分の出典は確認していない)
2009/2/5