法人本部

第51回 省エネルギー

省エネルギーな住まいと暮らし方の工夫

2016年9月16日
建築研究本部 北方建築総合研究所 環境研究部環境グループ 主査(建築環境)北谷 幸恵

こんなお話をしました

  寒冷な北海道の住宅においては、いちばん多くのエネルギーを消費しているのは暖房で、次いで給湯となっています。

  冬、部屋を暖めるためには熱が必要ですが、その熱量を減らす最大のポイントは高断熱化です。中でも窓は、外壁などと比べると面積が小さい割に多くの熱が屋外に逃げます。窓の高断熱化には、リフォームや断熱ブラインドを利用する方法があります。また、窓からの日射熱の採り入れも、暖房エネルギーの削減に効果があります。日射熱の採り入れには、日中は遮光率の低いカーテンを使うこと、ガラスを清掃して汚れを落とすこと、網戸を開けることなどが効果的です。
  また、暖房機器の効率にも目を向ける必要があります。暖房機器には蓄熱暖房機などの電気ヒーター式の暖房、エアコンを含むヒートポンプ、ガスや灯油のストーブなどの様々な種類がありますが、これらを比較すると、室内に発生させる熱量は同じでも化石燃料の消費量は全く異なります。蓄熱暖房機等の電気ヒーターは他の暖房と比べて多くの化石燃料を必要とします。電気を使う場合には、ヒートポンプの機器を選択することで化石燃料の消費量を削減することができます。また、室温を下げることも効果的です。間違って暑くなりすぎることが無いように、こまめに操作するなど工夫してください。化石燃料の消費量を減らすことが、地球温暖化対策として望まれています。
  夏はエアコンを使わなくても部屋がなるべく涼しくなるような工夫をしたいところです。窓面で日射を遮るための「すだれ」などのツールは、ガラスよりも外側に設置する方が内側に設置するよりも、日射遮蔽の効果がずっと高くなります。
  給湯エネルギーの節約術としては、まず、混合水栓(蛇口)の使い方の工夫があります。水で良い時にはお湯が全く出ないような蛇口のひねり方(レバーの位置)にします。また、特に冬は給湯エネルギーが増加しがちです。冬期はお風呂のお湯が冷めやすく、特にヒートポンプの場合は機器の性能上、外気温が下がると効率も低下します。家族みんなが、なるべく短時間に続けてお風呂に入るなどの工夫をすると良いでしょう。
北方建築総合研究所では一般の方々からの技術相談もお受けしております。エネルギーや室内環境以外にも、住宅や建築の様々な研究を行っているスタッフがおります。何かありましたらご相談ください。

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