第3話 ホタテ貝殻活用チョーク

ホタテ貝殻を活用したチョーク(H25.6)

産業技術研究本部 工業試験場 吉田 昌充(よしだ まさみつ)

ホタテガイの食べ方は、刺身やバター焼、干し貝柱など色々ありますが、今回は貝殻が主役です。

ホタテ貝殻の写真   ホタテガイの生産は、日本が中国に次ぎ世界の約25%を占めています。北海道の生産量は国内の約8割に当たる年間約40万トン、道内漁業生産額の約2割を占める基幹水産物です。ホタテガイの多くは「むき身」の状態で出荷されることから、毎年約20万トンの貝殻が排出されています。ホタテ貝殻は、以前から牡蠣の養殖、畑の土壌改良材、飼料などに使われているものの、なお多くの貝殻が未利用であることから、その用途開発の要望が工業試験場にも寄せられていました。

ホタテ貝殻は炭酸カルシウムが主成分で、この粉末は非常に白いことが特徴です。一方で、黒板に使われるチョークは、炭酸カルシウムの粉末を粘結剤(糊のようなもの)で固めて造られているものがあることから、工業試験場は道内チョークメーカーの日本理化学工業(株)(美唄市)と共に、ホタテ貝殻を活用したチョークの開発に取り組みました。

チョークには、折れにくさ、滑らかな書き味、描線の鮮明さ、消しやすさなどの性能が求められます。これらの性能を満足させるため、ホタテ貝殻粉末の混合率や粒子サイズをはじめ各種製造条件の検討を行い、従来の技術では難しかった折れにくさを保ったまま、より滑らかな書き味や描線の鮮明さを向上させたチョークの製品化に成功しました。

ホタテ貝殻活用チョーク    このチョークは平成17年より北海道から沖縄まで全国各地で販売され、学校をはじめ広く使用されています。また、このチョークは、北海道リサイクルブランドに認定されたほか、グリーン購入法適応品となり、製法に関する特許も登録されました。平成22年には、リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰において、日本理化学工業(株)と共に、道総研が農林水産大臣賞を受賞するなど、この取り組みが認められました。ホタテ貝殻を活用したチョークに関する情報は、工業試験場のホームページなどからご覧いただけます。


▼道総研工業試験場のホームページはこちらから

◇「ホタテ貝殻活用チョークの開発」をご紹介します◇
http://www.hro.or.jp/list/industrial/research/iri/jyoho/irinews/07-30-03/30-03-07.pdf

◇日本理化学工業株式会社(ホタテ貝殻活用チョークの製造元)◇
http://www.rikagaku.co.jp/

◇北海道リサイクルブランド認定制度◇
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/jss/recycle_2/ninteiseido/brandseidotop.htm


次回は、第4話「夏を涼しく過ごすための住まいの工夫」です。

 

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