どさん子乳酸菌HOKKAIDO株で健康長寿

産業技術研究本部 食品加工研究センター 中川 良二(なかがわ りょうじ)

 

 

一般に、糖類から多量の乳酸をつくる細菌を乳酸菌と呼びます。大きさは1ミクロンほどの非常に小さな生物です。現在、乳酸菌は250種以上に分類されています。

一方、腸内にはたくさんの細菌が生息し、その種類は100種類、数は100兆個以上といわれ、ヒトの健康にさまざまな影響を及ぼします。これを腸内細菌叢といい、重量で約1kgにもなります。この腸内細菌叢の中で乳酸菌はビフィズス菌と共に有用菌として知られています。

乳酸菌HOKKAIDO株は、道内の農家の漬物から分離した乳酸菌株、すなわち、どさん子乳酸菌です。菌種を調べたところ、Lactobacillus plantarumという種類の乳酸菌であることがわかり、北海道ブランドの乳酸菌にしたいという思いをこめて、Lactobacillus plantarum HOKKAIDO、略してHOKKAIDO株と名付けました。

古くから日本人は、漬物や味噌などの植物原料由来の発酵食品を食べてきましたので、HOKKAIDO株を含む漬物などの乳酸菌が日本人の健康に寄与してきた可能性が考えられます。そこで、HOKKAIDO株の健康機能に関する特性を調べました。その結果、消化液耐性を持ち、生きて腸まで到達できることがわかりました。また、大腸菌O-157の細胞付着を阻害する作用やヒトの免疫機能を正常化する働きがあるのではないかというデータも得ています。
さらに、HOKKAIDO株の発酵特性として、野菜、果物、穀類など植物原料を良く発酵するという性質を持っていることがわかりました。そこで、HOKKAIDO株の発酵特性に基づいた食品等を開発する研究を行いました。まず、道産大豆をつかった発酵豆乳、いわゆる豆乳ヨーグルトの開発に取り組みました。豆乳は血中コレステロールの低下作用、生体内での抗酸化、ガン化抑制、骨粗鬆症の抑制、ビフィズス菌増殖作用などに関係する成分を含むことが知られています。豆乳に乳酸菌HOKKAIDO株を添加し、30℃で発酵させると、1日後にはヨーグルト様の食品になります。また、この食品には生きたHOKKAIDO株が1ml当たり約10億個含まれていました。そこで、2004年に本技術を柱として特許を申請し、2009年に特許登録されました。また、2008年には「HOKKAIDO株」という商標権も取得しています。現在、道総研では道内企業を中心に二十数社と本特許に関する実施許諾契約を締結しています。
この契約から生まれた製品には、「豆乳ヨーグルト」、HOKKAIDO株の「健康補助食品(サプリメント)」、HOKKAIDO株で発酵させた「にんじんジュース」や「酒粕アルコール飲料」、生きたHOKKAIDO株入り「生乳ヨーグルト」、仔牛用の粉ミルクである「代用乳」や「サプリメント」などがあります。

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