Q.15)
 鹿沼土、赤玉土、ピートモス、黒土などの名で様々な土が園芸用品として売られていますが、これらはどういう種類の土なのでしょうか。北海道にはこれらの土はあるのでしょうか。

A.15)
 盆栽、観葉植物など家庭園芸では「園芸用土」として多くの「土」が使われています。以下にその主なものについて園芸雑誌の説明を一部紹介してみましょう。

黒土(くろつち)
関東地方に分布する火山灰土壌の表土(腐植層)のこと。下層に赤土、鹿沼土を同時に産する地域もあります。

赤土、赤玉土(あかつち、あかたまつち)
赤土とは、関東地方に多い火山灰土壌のうち黒土(表土)の下層にある赤褐色の粘質土のことを言います。赤土を大・中・小の粒径にふるい分けて団粒化しているものが赤玉土です。

荒木田土(あらきだつち)
水田の下層土や河川の堆積土で、昔は瓦や壁に使った粘質土のことです。「東京都荒川沿岸の荒木田原に産出した土」が本来の意味。

鹿沼土(かぬまつち)
栃木県鹿沼市の付近で産出する黄色の玉土で、軽石質の火山性砂礫が風化したものです。(赤城山が約3万年前に噴火して降った軽石が風化したもの)

ケト土(化土):湿地のヨシやマコモなどが堆積して分解しかかった、黒くて粘りのある土のことです。

軽石(かるいし):風化が進んでいない(腐朽していない)多孔質の火山礫の総称です。

桐生砂:群馬県桐生市の付近で産出する、富士砂よりもやや風化の進んだ火山砂礫です。

富士砂:火山性の砂で、発泡していないもの(軽石でないもの)が主体です。

水ゴケ:湿原に生えている緑藻を乾燥したものです。

腐葉土:落ち葉が半ば腐食したものです。

ピートモス:湿地の水ごけが堆積して腐熟したもの。

川砂:河川にある普通の砂のことで、火山性の砂、砂礫とは区別しています。

以上の「土」を北海道の土壌に当てはめてみると次のようになります。

黒土:火山性土(黒ボク土)の表土(腐植層)のことで、火山灰地帯の各地にみられますが、道南の一部にある「ろ土」、十勝の「湿性火山性土」、後志、網走、根釧地方の「黒色火山性土」、「厚層黒色火山性土」などが特に黒くて厚い表土を持っています。

赤土、赤玉土:火山性土の下層にある、赤褐色でやや粘質のローム質火山灰が「赤土」とほぼ同様のものと思われ、各地の火山性土の下層にみられます。また、ローム質火山灰の下に犬の糞に類似した土壌構造が見られますが、赤玉土はこれに近いものです。

鹿沼土:風化(腐朽)の進んだ軽石のことで、北海道では樽前山火山灰d層がこれに近いものです。北海道の火山性土(特に、粗粒火山性土あるいは火山放出物未熟土などと呼ばれる土壌)の表土~心土にある軽石は、渡島(駒ヶ岳)、石狩・胆振・日高(支笏、恵庭岳、樽前山、有珠山)、根釧(摩周岳、カムイヌプリ岳)管内などに堆積年代が異なる新旧の各種軽石が見られますが、鹿沼土程には風化が進んでいない(潰れにくい)ものが多いようです。

荒木田土:沖積土(低地土)の表土~下層土にある粘質な「土」のことで、北海道でも普通にみられるものです。
ケト土:泥炭土あるいは黒泥土の表層にある、「湿性植物遺体の分解がかなり進み、土砂が混じって黒っぽくなった泥炭層」あるいは「分解が進んで粘土と混じり黒褐色となった黒泥層」がほぼ該当するものと思われます。道内各地の泥炭地帯には部分的に見られるはずです。

軽石:さきに述べたとおり、道内各地に様々な軽石があります。例えば、駒ヶ岳、樽前山、有珠山、支笏、恵庭岳、カムイヌプリ岳等の火山から噴出したものが良く知られています。

ピートモス:泥炭を乾燥させて粉砕し、PH調整をしたり養分を添加したりしたもので、道内では未耕地の泥炭地を掘って採取し、ピートモスを製造しているところが数ヶ所あります。市販されているものの約8割はカナダやロシア(サハリン)からの輸入泥炭を原料としているそうです。なお、泥炭植物にはミズゴケ、ヨシ、スゲ、ヌマガヤ、ヤナギ、等色々ありますが、外国産はミズゴケが大部分です。

水ゴケ:高位泥炭(いちばん栄養分が無い状態で生育する湿性植物の遺体が分解せずに堆積したもの)を構成する最も普通の湿性植物です。高位泥炭は道内では石狩、空知の石狩川中・下流域や宗谷管内、サロベツ原野に主に見られますが、自然状態で生育しているのは限られています。

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