Q.2)
土壌の種類の分け方(土壌分類)は色々あるようですが、一般的にはどの方法を知っておけば良いのでしょうか。また、土壌診断や土地改良事業ではどの分類法を用いているのでしょうか。

A.2)
 土壌分類には幾つかの方式があり、若干混乱しているのが現状です。ここでは農水省の方式(全国方式)と北海道方式を紹介します。農水省や土壌肥料学会など全国的に使われている農水省方式は、地力保全基本調査のデータを基にして作られたもので、昭和52年に「土壌統の設定基準及び土壌統一覧表、2次案」として公表されました。現在は「農耕地の土壌分類ー土壌統の設定基準及び土壌統一覧表ー、第2次案改訂版(昭和58年)」がその正式名称です。なお、平成7年に大幅な改訂がなされ、第3次改訂版が公表されましたが、まだ一般的には使われていないのでここでは説明を割愛します。(土壌分類の方式については第3節・中級編でやや詳しく解説してあります)
 もう一つの北海道方式は、北海道内の土壌調査の関係者が協議して作った、北海道独自の分類方式です。これは、全国方式(2次案)の2年前に公表されもので、北海道2次案と略称されています。北海道の土壌の特徴を表す適当な分類方式がなかったことが独自の方式を提案することになった主な理由です。
 この二つの方式を簡単に比較しますと、全国方式は全国的に使われていて、農業行政や学会でオーソライズされており、共通の分類法として対比できますが、北海道の土壌への適用は不十分な面が多くなっています。それに対し、北海道方式は北海道の土壌の特徴を良く表していますが全国的には通用しづらい、と言うことになります。
 現状では、全国方式を原則として使い、特に北海道の特徴ある土壌を表現したい場合には( )内に北海道方式を併記する、と言うやり方が良いのではないでしょうか。北海道方式だけで表記するのは土壌の専門家以外の人や他都府県の人には理解しづらいでしょう。
 次に、土壌診断に関して言いますと、北海道の施肥標準では、沖積土、洪積土、泥炭土、火山性土の4区分、ホクレンの土壌診断でもこれに準じ、十勝農協連ではこのうち火山性土をさらに乾性、湿性に区分した計5区分で行っています。また、各普及センターに配布されている中央農試作成の診断システムでは、施肥標準の4区分の他に部分的に全国方式、北海道方式が使われています。また、土地改良事業では、原則として全国方式(農耕地土壌分類)が使われていますが、水田については旧い分類法である施肥改善分類も併用されています。
 その他の主な分類法について説明しておきます。

施肥改善調査の分類法
 全国方式の前身の一部で、水田土壌を対象として長い間使われていましたが、現在では過去の分類法となっています。A.泥炭土壌からK.礫質土壌までの11群51種からなっていますが、北海道では独自にL.火山性土を追加していました。

国土調査(土地分類基本調査)の分類法
 国土庁(旧経済企画庁を含む)の事業にもとづく分類方式で、林地や未耕地を含む、包括的な 分類体系です。全国方式も北海道方式もこれを参考にしているため、似通った土壌の名称がみられます。国土庁が今後本腰をあげて日本全域の土壌図(5万分の1)作りを進め、メッシュ土壌図として一般配布する体制が整えば、日本における代表的な包括的土壌分類方式としてオーソライズされ、各方面で使われる可能性があります。
アメリカの土壌タクソノミーやFAOの分類方式
 世界的に共通する分類法としては、アメリカのSoil Taxonomyや、FAO/Unescoの分類法があります。前者は、世界の土壌学における事実上の標準的な分類法になっています。後者は500万分の1土壌図において使われているものです。

ペドロジスト懇談会による、日本の統一的土壌分類体系
 日本の土壌調査・分類の専門家で組織しているペドロジスト懇談会(現ペドロジー学会)で発表した分類案で、全国方式や国土調査の方式とはやや異なった観点からの、林地、未耕地、農耕地を対象とする分類方式です。

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