Q.29)
この全国方式と北海道方式の分類法の違いを主要な点について解説して下さい。

A.29)
 まず、両者の全体像から紹介します。()内はその種類の数です。北海道方式の最小段階の分類における分類数は確定できませんが、火山灰土壌では約60、沖積土壌で約40、洪積土壌で約8種類程度でしょう。表12にその内容を示します。

 まず、土壌群について、北海道方式と対比してみましょう。もちろん、厳密に対比可能なわけではなく、分類概念として基本的に対比する、と言う意味です。表13に示します。

 次に、各分類段階における分類の考え方について説明しましょう。表14に示します。

 それでは、もう一度要約してみましょう
1)まず、沖積土壌や洪積土壌については、
(1)全国方式では土性や礫(細粒質、中粗粒質、礫質)を分類の要素として重視していますが、北海道方式ではいちばん下位の分類段階で土性の区分がされています。
(2)全国方式では、火山性土以外については表層の腐植含量やその厚さについては分類の要素として用いていませんが、北海道方式では中区分(小分類)の段階で重視しています。

2)次に、火山灰土壌については、
 (1)全国方式では、火山灰土壌は3つの土壌群が対応するかなり単純な分類法になっていますが、北海道方式では、まず未熟土と火山性土に大別され、さらにそれぞれが2種、7種の中分類に細分される複雑な分類体系となっています。
(2)全国方式では湿性の程度と表層の腐植含量・層厚により区分されているのに対し、北海道方式ではこれらに加え、火山灰層の質(ローム質、軽しょう質、軽石など)、それらの層の重なり方、下層に他の堆積様式の母材(沖積層、洪積層など)が出るかどうか、など様々な土層の状態を組み合わせて区分しています。全国方式に比べると明らかに複雑な分類体系となっています。
(3)全国方式では火山灰土壌についての明確な定義はありませんが、北海道方式では、地表下20cmまでが火山灰であればその下層の性質のいかんに関わらず火山灰土壌とされています。

3)泥炭土壌については、
(1)全国方式ではいちばん下位の分類段階(全国土壌統)で低位・中間・高位に区分されていますが、北海道方式ではより上位の段階(中分類)でこれらを区分しています。
(2)全国方式では、泥炭土の定義として、地表下50cm以内に泥炭層の厚さ(の合計)が20cm以上あれば良いとされていますが、北海道方式では同じく25cm以上とされています。従って、表層の無機質層の厚さが28cmの場合は、全国方式では泥炭土となりますが、北海道方式では泥炭土とはならないで下層泥炭グライ低地土となります。

4)未熟土の設定の有無
 全国方式では岩屑土と砂丘未熟土が該当しますが、土壌群より上位の分類カテゴリーがないため分類名としての「未熟土」はありません。北海道方式には大分類としての「未熟土」があり、残積未熟土(岩屑土に相当)、砂丘未熟土、火山放出物未熟土、湿性火山放出物未熟土の4つの中分類があります。
5)土性や礫質の定義の違い
 全国方式における土性の判定法は、原則として第1層を除いた次表層(概ね地表下25~60cm)で判定しますが、北海道方式では、地表下0~50cmの平均土性で判定します。
 また、全国方式における「礫質」とは、地表下60cm以内に厚さ20cm以上の礫層、砂礫層(の上端)が出現する場合を言いますが、北海道方式では、地表下25cm以内に厚さ20cm以上の礫層、砂礫層(の上端)が出現する場合を言います。

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