Q&A「いちご」について

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No 質問項目 回答要旨
1.  いちごの 一季成り、四季成り、とはなんのことですか。
 いちごの休眠と一季成り、四季成りとの間にはどんな関係がありますか。
 一季成りのいちごは冬から春に実がなり、その後は実を付けません。一方、四季成りのものは夏や秋にも実を付けます。
 一季成り、四季成りと休眠とは関係ありませんが、四季成りは休眠が深いものが多いようです。
2.  いちごについて花牙分化させるためには、どうすればよいですか。  四季成りいちごは温度が十分なら、比較的いつでも花芽分化をします。
 一季成りのものは12時間以下の短日と25℃以下の低温で花芽が分化する品種が多いようです。
3.  一般住宅の室内でいちごを冬に栽培するには、どうしたらよいですか。  四季成り品種をプランターや鉢植えにして、秋口に屋内に入れると良いでしょう。
  その場合、居間などの夜でも明かりのあるような場所であれば、よく実を付けます。
4.  いちごの育種手順は、どうするのですか。  母親となるいちごの蕾の雄しべを取り除いて、そこに父親となるいちごの花粉をつけます。すぐに袋をかけて、他の花粉がつかないようにして、実を成らせます。
 交配後1週間ぐらいするとイチゴの果実は肥大し、交配が確認できます。
 果実が赤く着色し成熟したら収穫し、ピンセットなどで「種子」を1個づつとり、水洗いをします。果実表面にあるツブツブが、それぞれ1個の「種子」です。この1個の「種子」が1つの「品種」になります。
 この種子を育てた結果、果実がたくさんついて、一つ一つの果実が大きく、食べておいしく、色や香りが良く、日持ちも良くて、病気にもかからない立派な株を残し、他の株は廃棄します。選び残した株から発生してくるランナーを育てます。
 この様にして、同じ特性を持った「新品種」の苗をたくさん作ります。営利目的の場合はこれを「品種登録」します。
5.  品種を自分でつくれますか?  ポイントは交配です。2つの品種を交配して新品種を作ります。
 母親の品種が開花する前に、その蕾が白くややふくらんできたものを選び、花びらやガクをピンセットなどで取り除き、小さな紙袋をかけておきます。
 数日後の晴れた日に袋をはずして、父親の品種の開花当日に、その花を母親の雌しべに軽くなでるようにしてやると、花粉がふりかかります。再び袋をかけて交配完了です。その後1週間で果実は肥大し交配が確認できます。
 交配した種子をつけた果実が、赤く着色し成熟したら収穫し、ピンセットで「種子」を1個づつとり、水洗いをします。
 イチゴパックに保水性のよいピートモスを敷き詰めて播き床とし、「種子」をまきます。覆土の必要はありませんが、発芽まで表面が乾かないように霧吹きで湿らせます。発芽し、葉が数枚でてきたら、育苗用の鉢に移植し育てます。
 この中で、特性の揃った立派な株があれば、この株から発生してくるランナーを育てます。これが「新品種」の苗です。
6.  いちごの果実が大きくなる限度はありますか。
 果実を早く大きくさせるためにはどうしたらよいですか。
 品種によって大きさはほぼ決まっており、大きい品種では100gになるものもあります。
 果実はゆっくり大きくする方が大果となります。
7.  いちごの果実の赤色について、鮮やかなものとそうでないのがあるのはどうしてですか。  品種によって色は様々です。同じ品種の場合は、光に当たったり、温度が高まることで色が着いてきます。
 また、収穫から日が経つにつれて色は濃くなる傾向にあります。
8.  甘いいちごにするためには、どうしたらよいですか。
 いちごの収穫量を多くするには、どうしたらよいですか。
 温度を低めに、特に夜の温度を低く管理すると、いちごは甘くなりやすい傾向にあります。
 収穫量を高めるには、収穫前にできるだけ充実した株を作る必要があります。
9.  イチゴは朝収穫すると良いと言いますが、何故ですか?  いちごは他の果物に比べて日持ちがしません。そのため、流通の場面では、できるだけ温度を低く保って輸送する対策をとっています。
 収穫する時にもできるだけ品温の低い時に収穫した方が、その後の日持ちが良いので、気温の低い「朝収穫」が流通上から良いといえます。
10.  庭でイチゴを育てています。どのくらい実がなりますか。  いちごの実は果房になります。果房は、夏から秋にかけての生育量で決まります。品種によっても異なりますが、1果房あたり4~8個収穫できます。果房は普通に生育していると、通常4本程度出ますので、1株20個は収穫できるでしょう。
11.  家庭菜園でいちごを上手に作るポイントはなんですか。  肥料や水はやりすぎると甘味が少なくなります。また、病気や虫が着きやすいので注意が必要です。
12.  苗のランナーの管理は?
 秋に購入し、鉢で育てた苗からランナーが伸び、小さな苗が地面に根づきました。どのように管理したら、来年も実がなるでしょうか?
 いちごのランナーの苗は、良い苗を選んで、ポットやプランター、あるいは露地の畑に植え替えて下さい。
 植え替えの時期は北海道の場合、8月から9月の早いうち、千葉であれば9月のすこし涼しくなってからが良いと思います。
13.  株分けで子株は増える?
 イチゴの増殖法は種子ではなくて株分けをしますが、なぜでしょうか?
 株分けの方法と1株から子株がどれだけ採れるか?教えてください。
 種子繁殖では形質が変動し親と同じ実がなりません。そのため、親株から伸長したランナー(蔓)で子株を獲る栄養繁殖法によって、親と同じ実がなるようにしています。
 最適条件では1株から子苗は50株程度が採れます。
14.  苗の植え替え?
 数株入るストロベリーポットに植え替えたいのですが、いつ頃がよいでしょうか。去年の苗は、来年も実がなりますか?
 ストロベリーポットに植え替える場合もランナー苗の場合と同様にします。
 苗を植えたポットは、いちごの品種にもよりますが、屋外に近い環境に置き、年が明けてから屋内条件にすると早く収穫ができます。
 ダニやうどんこ病には注意して下さい。
 去年の苗は、最も良いのは収穫後に葉を掻いてしまい、秋まで養成する (その後にすぐ葉がでてくるので、そのまま育てる) と良いと思います。今年より収穫量は減りますが、実は成ります。
 ダニやうどんこ病には注意して下さい。
15.  肥料はいつ頃、どの程度いれたら、たくさん実がなりますか。  肥料は1~2週間前にあらかじめ土に混ぜて、なじませておくと良いでしょう。
 野菜用の肥料を土1リットル当たり30グラム程度で良いと思います。これは窒素量で3グラム位になると思います。
16.  アブラムシ退治に薬を使わない良い方法がありましたら、お教えください。  アブラムシ防除は牛乳で効果がある場合があります。あまり発生しないうちにアブラムシを目掛けて、かけてみて下さい。
 効果があったら儲けものです(牛乳は界面活性作用があるため、アブラムシにかかるとアブラムシの呼吸が困難になるそうです)。株全体にかける必要はなく、あくまでアブラムシにかけてみて下さい(牛乳で株が枯れることはないと思いますが・・)。
17.  イチゴは果樹ですか、野菜ですか?  日本では短年生で副食となる草本性の植物を野菜としており、イチゴも野菜としてます。ちなみに、果樹は果実の収穫までに数年かかる、喬木性の植物としています。
 なお、米国ではイチゴは果樹に、中国ではイチゴ、スイカ、メロンを果樹に分類しています。 (22につづく)
18.  ビタミンCはどこにある?
 イチゴのビタミンCは果実のどの部分に多いですか?
 栽培方法とか、貯蔵のし方によって量的な変化はありますか?
 品種間差は大きいです。果皮の部分は果肉部や果芯部より2倍近く多いです。
 加熱してジャムにすると極端に減りますが、数日の貯蔵では追熟して増加することもあります。
19.  外国産イチゴの見分け方?
 最近、輸入イチゴが増大していますが、店頭のイチゴが国産か輸入物かを簡単に見分ける指標はありますか?
 東京では女峰ととよのかで9割強を占めています。
 冬場に出回る韓国産は日本の品種を生産するため判別不可能です。
 ただし、米国産は概して肉質が硬く、酸っぱく、果色が濃いようです。
20.  いちごの種子はなぜ外側にあり、りんごの種子は内側にあるのですか?  いちごは、受精後、種子をのせている、種子の内側にある花床が肥大して食べる果実となります。ですから、花床の外側にある種子は果実の外側にあるわけです。(25も参照してください。
 一方、りんごは種子の外側にある花たくが肥大して食べる部分となりますから、種子は食べる部分の内側にあるのです。つまり、肥大して食べる部分が種子の内側か外側にあるかによって種子のある場所が違うのです。
21.  いちごの英名はなぜストロベリーというのですか?  英名のストロベリーの語源は最も不明なもののひとつで、ストローはマルチとして敷く「わら」のことではないようです。ストロー(ここそこにまき散らす、散らばる)の古語と関係があり、ランナーが発生してあちこちに果実がなる性質に由来するともいわれています。ベリーは漿(しょう:しる,汁)果をさします。
22.  イチゴは、日本では蔬菜として扱われているのに、外国では果樹(small friut)として扱われているようです。その理由は何でしょうか?  先ず「蔬菜:そさい」ですが、一般的には「野菜」が標準語となっていますが、それは昭和21年11月に国語審議会の答申に基づいて内閣から当用漢字表、現代かなづかいが訓令告示をもって公布され、教育面でも行政面でも、当用漢字表にない「蔬」の文字の使用を避け、「蔬菜」を「野菜」に代えて用いるよう行政措置がとられたからです。ですから、ここでは「蔬菜」を「野菜」といたします。
 確かに野菜と果物との区別は簡単なようで簡単ではありません。一般的には草本性の作物で副食にするようなものは野菜とし、木本性の作物で果実を食用にするものを果物としています。この見方からするとイチゴは当然、野菜になります。しかし、青果市場ではイチゴ、メロン、スイカなどは果物とされ、反対に青ウメは野菜として扱っています。また、ご指摘のとおり、外国ではイチゴはブドウなとど一緒に小果実としていますが、これは果実の特徴ばかりではなく、同一株が多年にわたって結実することにもよるようです。このように野菜と果物との区別はそれほど固定したものではないようです。
 「日本の野菜」(青葉 高著、八坂書房、1993)では著者らの常識に従って、草本の作物でイネ、ムギのような主食にする穀物ではなく、多くは生のまま店頭に並べられるものを野菜としています。当然、イチゴは野菜・果菜類として記述しています。
23.  いちごはツルで増えるようですが、なぜ種子もあるのですか?  いちごやりんごの繁殖は大きく分けると種子で繁殖する有性繁殖と、枝や株などの植物体の一部分から繁殖する無性繁殖があります。
 有性繁殖は交配して種子がつくられますが、これは遺伝的には雑種となるため、母株と同じ性質を持っている果実、売りものになる果実はできません。このため有性繁殖は新品種を作る時に使われますが、一般の農家では行っていません。
 ツルで増やす無性繁殖は母株の性質がそのまま受け継がれるため、良い果実を生産したい農家で一般に行われる方法です。
24.  花がたくさんついて最初はよく採れますが、だんだん成りが悪くなります。どうしたらよいですか?  その通りで、恐らく、だんだん成りが悪くなっていくでしょう。
 対策としては、一つの花房(花がついた枝)にたくさんの果実が着いてきたら、そのうち大きいものを5~6個残して、小さいものを摘除すると良いでしょう。そうすると、より大きい実が収穫できます。
25.  いちごの種が実の表面に付いているのはなぜですか?自由研究で使いたいので教えてください。  いちごの実について整理しておきましょう。
 植物解剖学的にはいちごの実は「偽果」といって、茎から変わってできたものです。同様に皆さんが種と思っているものは、正しくは「そう果」といって、解剖学的には「果実」に相当します。この「そう果」の中に種子が一つ入っています。ですから、「いちごの種が実の表面についているのは何故か」の質問への答えは「いちごの果実は『茎の周りに実が付いたもの』だから」ということになります。「いちごの果肉が甘くておいしい」と思って食べていたのは、実は茎だったのです。
 植物学の専門用語を扱ったHPを見つけましたので、付記します。
 http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/08/0816.htm
 花が咲いた時に花の構造をじっくりと観察して、花のどの部分が果実(偽果)のどの部分になるかについて思いをはせてみると、これまでとは違って見えてくると思います。機会があったらいちご狩りの観光農園に出かけてみて下さい。果実と一緒に花も観察できると思います。

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