馬鈴しょ牧草グル-プ 馬鈴しょ |
年数 |
試験名 |
供試 |
選抜 |
説明 |
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1 |
交配 |
150
組合せ に交配 |
70
組合せ 300,000 粒採種 |
-「タネ」をとる-
用途や収量性、病害虫抵抗性などを考慮しながら、交配組合せを決定します。父親品種のおしべから花粉を集め、母親品種のめしべに授粉します。交配に成功すると、ミニトマトによく似た果実(赤くはなりません)から約100粒の種子(真正種子)がとれます。 |
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2 |
実生 |
50,000
粒 |
12,000 |
-「タネ」から苗を育て「イモ」をとる-
真正種子を育苗箱にまき、約1ヶ月後にビニールポットに1株ずつ定植し、網室内で育てます。真正種子から育った苗は、たとえ同じ両親組合せであっても1株1株遺伝子型が異なるため、性質も異なります(人間の兄弟も同じです)。枯れるのが極端に遅い株や、草姿が悪い株は生育途中で廃棄し、1株から1個だけイモを収穫します。 |
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3 |
第二次 |
12,000
個体 |
800 |
-「イモ」から苗を育てイモを増やす-
イモを畑に植え付けます。前年に1株から1個しかイモを収穫していないので、1株1株性質が異なります。そうか病抵抗性が期待できる組合せは、そうか病検定圃場に植え、疫病抵抗性が期待できる組合せは、疫病用の殺菌剤をまかずに栽培し、抵抗性が弱いと判断された個体は廃棄します。収穫は隣の株のイモが混ざらないように注意深く行い、熟期が遅いもの、いもの外観が劣るもの、でん粉価が低いものなどを廃棄します。さらに冬の間に中央農試遺伝子工学科でDNAマーカーを利用したシストセンチュウとYウイルスの抵抗性検定を行い、抵抗性のないものも廃棄します。以後は新品種決定まで、「種イモ」で植えて1種類(系統)あたりの株数を増やしながら、性質が劣るものを毎年毎年捨てていく作業となります。 |
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4 |
系統選抜 |
800
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60 |
-10株ずつの調査-
1粒の真正種子からイモで増やした、同じ遺伝子型を持つイモの集団を「系統」と呼びます。系統選抜では1系統あたり10株ずつ供試し、熟期、草姿、収量性、でん粉価、調理・加工適性、内部異常等に基づいて選抜します。 |
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5 |
生産力 |
60 |
20 |
-さらに株数を増やして試験精度を高める- 1系統あたり30株×2反復供試します。収量性、調理・加工適性、内部異常等に基づいて選抜します。 |
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6 |
生産力検定 |
20 |
5 |
-ようやく本格的な試験が始まる- 1系統あたり48株×3反復供試します。収量性や品質、さらには病害虫抵抗性などのより詳細な検定を優良品種に決定するまで5年以上行います。選抜された系統には「北系○号」の系統名を付与します。 |
![]() ポテトチップ適性検定 ![]() 調理適性検定 ![]() でん粉粒径調査 |
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7 |
系統 (地域) 適応性 検定 |
特性検定 |
5 |
3 |
-「北系」系統- 北系番号を付与した系統は、系統適応性検定(中央農試)および地域適応性検定(十勝農試)にも供試します。特性検定では、病害虫に対する抵抗性を検定します。 シストセンチュウ、そうか病、塊茎腐敗(以上 北見農試)、 ウイルス病(中央農試)、青枯病(長崎県総農林試) 選抜された系統には「北育○号」の地方番号を付与します。 |
ばれいしょ加工適性研究会 加工ユーザーと連携し、ポテトチップ、フレンチフライ、サラダ、コロッケ、チルドの加工適性を明らかにします。 |
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8~9 |
系統(地域)適応性検定、生産力検定 (農試) |
3 |
2 |
- 「北育」系統 - 北育番号を付与した系統は、中央・上川・十勝農試および北海道農研において、それぞれの地域における適応性を3年以上調査し、品種としての実用性を検討します。さらに、現地の圃場(倶知安、函館、富良野、美深、士幌、大樹、更別、北見、斜里、中標津の10ヶ所)では2年間調査します。 |
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10 |
奨励品種決定調査 (現地) |
2 |
1 |
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11 |
1 |
1系統 残れば 大成功! |
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12 |
優良品種 |
-新品種に決定!- 北海道農業試験会議(成績会議)を経て北海道の優良品種に決定されます。さらに、農林水産省における成績検討を経て農林認定品種となります(ばれいしょ農林○号の認定番号が与えられる)。 |
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12~14 |
種いも |
一般栽培用の種イモを生産するために、原原種→原種→採種栽培を経なければならないので、優良品種決定から一般栽培までに4年ほどかかります。 | ||||||||
新品種の試験栽培用の種いもの入手につきましては、独立行政法人種苗管理センターに調査用種苗の配付を申請するか、北海道立総合研究機構農業試験場植物遺伝資源提供要領(申請様式)に基づき北見農試に提供申請して下さい。ともに生産者個人からの申請は受け付けておりません。 個人で新品種の試験栽培を行いたい方は、日本いも類研究会の新品種試験栽培で毎年5品種程度配付しておりますので、こちらをご利用下さい。 |