十勝農試場長からの挨拶

 

 4月の人事異動で道南農業試験場から十勝農業試験場長に着任いたしました。十勝農業試験場は24年ぶり、2回目の勤務となります。

 

 十勝地方は、全道の農業生産の4分の1を占め、日本の食料生産においても、北海道並びに北海道経済にとっても非常な重要な地域です。自然環境も素晴らしく、芽室町から眺める日高山脈や嵐山や各地展望台から見る十勝平野は正に絶景です。また、水も美味しく、地元の食材を使った様々な食もあり、世界に誇れる魅力あふれる地域です。長い年月を掛け、多くの困難に立ち向かい、苦難と挑戦を経て今日の豊穣な地域を作り上げた先人のご努力に対しまして心から敬意を表します。

 

 現在の農業を取り巻く状況には、人口減少による社会的構造の変化、今後の国内市場縮小やTPP参加の有無にかかわらず自由貿易体制強化など、これまでに経験したことのない数多くの課題や問題があります。十勝地方並びに十勝農業の価値を見える化し、それを高め、また、新たに価値創出を図っていくことがこれまで以上に重要です。

 

 十勝地方のすばらしい食材をどのように生産し、流通、加工を通して、消費側にどのように届けるのか、十勝農業の生産性を高め、新たな価値創出を行い、それをどのように地域の発展に結びつけていくか、そして農業試験場として何に対してどのように貢献できるのかを真摯に考え、地域の皆様と一緒に新技術開発や技術の総合化に取り組んでいきたいと考えております。

 

 道立試験場が独法化されて北海道立総合研究機構(道総研)として新たにスタートしてから今年で5年目を迎えました。道総研は、北海道の豊かな自然と地域の特色を生かした技術開発により産業振興、道民の豊かな暮らし作りと自然環境の保全に貢献することを使命としており、課題の重点化と優先順位をつけた研究資源の配分が実施されております。

 パラダイムシフトが起きている世の中では、これまでの実績や経験だけでは通用しないことも増えてきています。

 

 十勝農業試験場は、各種豆類の育種を行っている国内唯一の機関であり、また、作物、生産環境(土壌肥料や病害虫など)、生産システム(機械化栽培、農業経営など)並びに地域対応研究を行う部門を持ち、総合的に大規模畑作や先進的な取組に対応が可能で、これからの日本農業の将来を見越した研究を関係機関と共に担っていくことのできる試験場です。

 

 自立的な経済活動の展開や安全で持続的な社会、環境・自然に配慮した社会の形成を図り、豊かな自然環境を次世代に継承するには、地域の全てのステークホルダーによる協働によって、地域の問題解決、地域振興、地域の魅力アップを行う以外にないと考えます。生産者の皆様や関係機関・団体の皆様、流通・加工、販売などのフードチェーンに関わる皆様とお話をさせていただきながら、地域の状況と諸課題を把握し、密接な連携の元、地域への貢献を第一に農業試験研究に取り組んでいきたいと考えておりますので、何とぞ宜しくお願いいたします。

 

     平成26年4月

 

             地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 農業研究本部

 

                               十勝農業試験場長  柳 沢  朗

 

 

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