トヨホマレ:耐冷性が強く安定多収な白目中粒の”とよまさり”銘柄品種

 

1.加工適性

(1)加工上の長所・短所

 加工上の特徴は、”とよまさり”銘柄に属する「トヨムスメ」に類似しています。美味しさの代表的指標であるショ糖分含量が高く、煮豆や惣菜で要望の多い品種です。他方、タンパク質含量が低いことから豆腐収率がやや劣り、豆腐も柔らかです。

 外観品質では裂皮粒の発生が少なく、また、開花~着莢期の低温により発生するへそ周辺の褐変が少ないために安定しています。

  

(2)品質に関するデータ

品 種       種皮
          の色
へそ 粒大
の色
100粒重
 (g)
タンパク 脂質  遊離型 ショ糖
質(%)   (%) 全糖(%)  (%)
トヨホマレ     黄白 黄  中の大  30.8 40.8   19.7  11.7   -
エンレイ(長野)  黄
フクユタカ(九州) 黄
タマホマレ(長野) 黄
VINTON (米国)  黄
黄  大の小
淡褐 中
黄  中の大
黄  中
 30.4
 27.9
 30.4
 -
46.8   19.5  10.0   5.1
44.7
   19.9  11.1   6.2
41.2
   20.5  11.8   7.1
42.0
   19.7  10.8   5.8

注)成分分析値は日本女子大・平氏(現 目白学園)による。「トヨホマレ」は十勝農試の分析値

 

(3)主な用途における加工適性試験成績

煮豆

製品評価(5に近いほど良好)

色沢:3 光沢:3 香り:4
舌ざわり:4  味:4
皮の硬度:3 風味:4
総合:4

色、見栄え:白っぽくてふっくら
粒の大きさ:大きめ
テクスチャー:しっとり
味:甘みがあり、おいしい
トヨムスメを基準(3)に評価

豆腐

豆乳
 抽出率(%)  69.7
 固形分(%)  10.5
 蛋白濃度(%) 5.2

豆腐
 強度(g/cm2) 82.2

官能評価
 色:3.1 香り:2.9 こく:3.2
 甘み:3.4 不快味:2.6 硬さ:2.5
 弾力:2.4 ナメラカサ:2.9 総合:2.9
(原料は平成10年十勝農試産)

 

2 栽培特性

(1) 栽培上の長所・短所

 白目品種の中では耐冷性が最も強く,安定多収な品種です。また、開花~着莢期の低温により発生するへそ周辺着色が少なく、裂皮も出にくいため、外観品質が安定しています。耐倒伏性が強く,密植による増収が期待できます。しかし、裂莢の難易は易であり、最下着莢位置は中で、コンバイン収穫適性は中程度といえます。

病害虫抵抗性では、ダイズシストセンチュウ、ダイズわい化病およびダイズ茎疫病に対していずれも弱です。

(2)栽培特性に関する育成場所での試験結果


項目

トヨホマレ  

トヨムスメ

収量(kg/10a)

  232*  

  220*  

早晩性
  中
 (10月17日*) 
  中
(10月19日*)  

コンバイン収穫適性

 

 

 耐裂莢性

  易  

  易  

 耐倒伏性

  強  

  強  

 着莢位置

  中  

  中  

低温抵抗性

  強  

  中  

病害虫抵抗性

 

 

 シストセンチュウ抵抗性

  弱  

  強  

 ダイズわい化病抵抗性

  弱  

  弱  

 ダイズ茎疫病抵抗性

 

 

  (レース群Ⅱ/Ⅳ)

  弱/弱  

  強/弱  

 ダイズ黒根病抵抗性
 

  弱  
 

  強  
 






























 

(*収量と成熟期は十勝山麓部の冷涼地における平成6~9年の4カ年平均)

(3)栽培地域

北海道(十勝山麓・網走) 429ha

(4)栽培上の留意点

わい化病に弱いので防除を徹底して下さい。また、ダイズシストセンチュウ発生圃場への作付けは避け、適正な輪作のもとで栽培してください。

 

国産大豆品種の事典2000
農林水産省
農産園芸局畑作振興課
農林水産技術会議事務局企画調査課

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