試験研究は今 No.128「平成4年におけるウニ身入り状況について」(1992年12月4日)
平成4年におけるウニ身入り状況について
専技室ではウニの身入りの状態が非常に悪かった平成2年から、日本海各地におけるウニの身入り状況調査を行ってきました。
調査は「身入り」「身入り時期」「海藻の繁茂」「年齢構成」「殻径組成」「稚仔発生」「資源、漁獲状況」「水温」などについてエゾバフンウニとキタムラサキウニの今年の状態をそれぞれ例年と比較したもので、水産技術普及指導所にそれぞれの担当区の状況を地区(漁協)ごとに調べてもらいました。
調査の範囲は昨年まで稚内から福島町まで28地区について行ってきましたが今年から日本海に加え、津軽海峡部から日高までのウニ漁場を調査の対象としました。
今回はこの調査の中から海藻の繁茂状況とウニの身入り、漁獲の状況について紹介します。
調査は「身入り」「身入り時期」「海藻の繁茂」「年齢構成」「殻径組成」「稚仔発生」「資源、漁獲状況」「水温」などについてエゾバフンウニとキタムラサキウニの今年の状態をそれぞれ例年と比較したもので、水産技術普及指導所にそれぞれの担当区の状況を地区(漁協)ごとに調べてもらいました。
調査の範囲は昨年まで稚内から福島町まで28地区について行ってきましたが今年から日本海に加え、津軽海峡部から日高までのウニ漁場を調査の対象としました。
今回はこの調査の中から海藻の繁茂状況とウニの身入り、漁獲の状況について紹介します。
- エゾバフンウニ(ガゼ)
- 身入りの状況を図-1に示しました。回答のあったのは57地区で、このうち例年と比較して身入りの良かったのは23地区、例年並が25地区となっており、身入りが例年並か、それ以上の地区が大部分の約84パーセントを占め、逆に例年より悪かった地区は日本海では鬼脇、小平、留萌、乙部町の4地区、海峡部では尻岸内の1地区、噴火湾では鹿部から室蘭にかけての4地区でした。
- キタムラサキウニ(ノナ)
- 身入りの状況を図-2に示しました。回答があったのは56地区で、このうち例年と比較して身入りが良かったのは22地区、例年並が26地区となっており、身入りが例年並かそれ以上の地区が大部分の約86パーセントを占め、逆に例年より悪かった地区は日本海では鬼脇と福島の2地区、海峡部を含めた噴火湾からえりも岬にかけては6地区でした。渡島管内の日浦・尻岸内・臼尻・大船間では隣接していても地先によって身入りの差(良い・悪い)が極端に違っています。
- 餌料海藻の繁茂状況
- ウニの餌となる海藻の繁茂状況について調査しましたが、ここではエゾバフンウニ漁場の餌料海藻の繁茂状況について述べます。
- 繁茂状況について62地区から報告があり、その結果を図-3に示しました。繁茂状況が例年より良かったのは47地区、例年並が13地区となっており、繁茂状況が例年並か、それ以上の地区が大部分の約97パーセントを占めました。逆に例年より悪かったのは尻岸内と恵山の2地区だけでした。
- ウニの資源状況
- ウニの資源の状況については、エゾバフンウニでは回答のあった61地区のうち約82パーセントの地区で資源が減少していると答え、キタムラサキ ウニでは回答のあった57地区のうち約49パーセントの地区が減少しているという答でした。
- またエゾバフンウニとキタムラサキウニの漁獲の比率については約64パーセントの地区でエゾバフンウニの比率が少なくなっているという答で、ウニ漁業の将来に不安という報告が多くありました。