試験研究は今 No.319「北海道のホッキガイ漁業について」(1997年9月19日)
北海道のホッキガイ漁業について
1 はじめに
水産業専門技術員と各地区水産技術普及指導所では、毎年、アワビ漁業、ウニ漁業、ホッキガイ漁業、ホタテガイ漁業の概要を調査して、「浅海漁業概要調査結果」として取りまとめています。
今回は平成7年の調査結果がまとまりましたので、そのうち、全道各地で行われているホッキガイ漁業の概要について紹介します。
今回は平成7年の調査結果がまとまりましたので、そのうち、全道各地で行われているホッキガイ漁業の概要について紹介します。
2 ホッキガイの魚獲高
平成7年度の全道の漁獲量は5,689トン、金額は、3,299,516千円でした。これを支庁別にみると、金額とも胆振が最も多く、ついで根室、渡島、釧路の順となっています(図1)。
3 着業者数と一人当たりの生産高
ホッキガイ漁業を営んでいる人の数は、全道で2,427人であり、支庁別に見ると、渡島が441人で最も多く、ついで胆振、釧路、根室の順になっています(図2)。
一人当たりの生産金額を支庁別に見ると、胆振が3,704千円で最も多く、渡島が620千円と最も少なく、地域によって差がありますが、全道的には、ホッキガイ漁業によって、一人当あたり1,500千円程度の生産があげられています(図3)。
一人当たりの生産金額を支庁別に見ると、胆振が3,704千円で最も多く、渡島が620千円と最も少なく、地域によって差がありますが、全道的には、ホッキガイ漁業によって、一人当あたり1,500千円程度の生産があげられています(図3)。
4 漁法、漁業管理
ホッキガイ漁業において使用されている漁具を、漁協別にみると噴射式桁網が約65パーセントを占め、通常の桁網を大きく上回っています。また、数は少ないがヤス、ハサミ等を使用している漁協もあります(図4)。
漁業管理手法としては、漁業調整規則に定められた殻長制限(7.5センチメートル)以上の自主規制を設定している漁協がほとんどであり、半数の漁協は、9.0センチメートル以上の殻長制限を行っています(図5)。
また、約77パーセントの漁協が漁獲量の制限を行っていますが、禁漁区を設けている漁協は半数程度あり、害敵駆除を実施している漁協は約27パーセントにとどまっています(図6)。
漁業管理手法としては、漁業調整規則に定められた殻長制限(7.5センチメートル)以上の自主規制を設定している漁協がほとんどであり、半数の漁協は、9.0センチメートル以上の殻長制限を行っています(図5)。
また、約77パーセントの漁協が漁獲量の制限を行っていますが、禁漁区を設けている漁協は半数程度あり、害敵駆除を実施している漁協は約27パーセントにとどまっています(図6)。
5 種苗放流
ホッキガイの種苗放流としては、他地区から天然種苗を購入して放流するものと、地区内で天然種苗を移植放流するものがあります。
種苗放流量を支庁別に見ると、購入種苗の放流量は日高が34トン、十勝が31トンと太平洋側で多く、地元種苗の移植放流量は根室が176トンと他を圧倒しています。
種苗放流量を支庁別に見ると、購入種苗の放流量は日高が34トン、十勝が31トンと太平洋側で多く、地元種苗の移植放流量は根室が176トンと他を圧倒しています。
(釧路水産試験場 主任水産業専門技術員 森 正美)