海況速報(2000年06月)

平成12年度 第2号(通算 No.74)
平成12年 6月 26日

北海道立水産試験場

5月下旬から6月中旬の海況

海域別情報

日本海海域
岩内沖暖水渦発達

岩内西方沖の暖水渦(例えば200m層水温6℃以上)は対馬暖流から暖水の供給を受け,前回(4月)より中心の水温が上昇し,200m層では渦が積丹半島西方まで張り出しています。 対馬暖流は,乙部西方の200m層では沿岸近くを北上していますが,50m層より浅いところでは沿岸と沖合に分岐して北上しているようです。北上した対馬暖流は,岩内沖暖水渦の西方を蛇行しています。
余市における5月中旬以降6月中旬までの沿岸水温(旬平均)は,平年値に比べ,「やや高い」から「平年並み」で推移しています。
道東太平洋海域
沿岸親潮弱勢

前回(4月)に道東沖にあった暖水塊(中心:200m層6℃以上)は,中心位置がさらに東へ移動し,北緯41度30分,東経146度30分以東にありそうです。この暖水塊の西側には小規模な暖水(中心:100m層5℃以上)が二つあります。一方,親潮は東経144度付近を南下していますが,例年道東沿岸に沿って道南太平洋まで流れている沿岸親潮(*2)は勢力が弱いようです。 この沿岸親潮は,道東沿岸域では厚岸以東(50m層水温2℃以下)だけにしか見られませんが,沖合域では暖水塊の西側に沿って南北に分布しています。この暖水塊西側の沿岸親潮は,上流域で接岸している暖水塊の東縁に沿って離岸南下したものが,道東海域へ南方から北へ流入しているようです。また,暖水塊起源の暖かい水と混ざった水塊が沿岸親潮とともに道東沿岸を占めているため,白糠沖や厚岸沖の50m層では過去10年で最高水温となっています。
道南太平洋海域
津軽暖流渦モード

100m層6℃以上の津軽暖流水が襟裳岬南方まで広がっており,津軽暖流は渦モード(*3)になっています。このため道南沿岸は広く暖流水におおわれ,親潮系水は100mより浅いところではあまり見られません。道東太平洋海域と同様に白老沖定線,浦河沖定線ともに平年より高い水温となっています。
オホーツク海海域
宗谷暖流は順調に流れる

50m層水温を見ると,6℃以上の範囲が宗谷海峡から知床岬先端まで延びており,宗谷海峡から浜頓別沖までと,知床半島先端部では7℃以上の海域も見られ,宗谷暖流は順調に流れています。表面の冷水帯はまだ見られません。表面では宗谷海峡東方沖に4℃以下の冷水域が見られますが,これは塩分値からオホーツク海中冷水起源の冷水域です。例年ここに見られる日本海起源の冷水帯は,より沿岸側にあると考えられるため,宗谷海峡付近の宗谷暖流の幅は例年よりやや狭いようです。

資料

資料 観測期間 観測海域
青森水試(東奥丸) 平成12年 5月 30日から同6月1日 (東北日本海海域)
稚内・中央水試(北洋丸) 平成12年 5月30日から同6月2日 (道北日本海・オホーツク海海域)
稚内水試(北洋丸) 平成12年 6月 5日から同6月7日 (オホーツク海海域)
釧路水試(北辰丸) 平成12年 5月31日から同 6月8日 (道東太平洋海域)
金星丸(函館水試) 平成12年 5月31日 (道南太平洋海域)
金星丸(函館水試) 平成12年 6月14日 (道南太平洋海域)
中央水試(おやしお丸) 平成12年 5月30日から同 6月3日 (道西日本海海域)

*1:平成元年(1989)~平成11年(1999)までの平均値を使用しました。
*2:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*3:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

0メートル
    • 表面水温の図
50メートル
    • 50メートル層水温の図
100メートル
    • 100メートル層水温の図
200メートル
    • 200メートル層水温の図

水温偏差表

海況速報PDFファイル

水温鉛直断面図

次の断面図がごらんになれます。

日本海

オホーツク海

道東太平洋

道南太平洋

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