海況速報(2002年12月)

平成14年度 第5号(通算 No.89)
平成14年 12月 27日

北海道立水産試験場

11月下旬から12月中旬の海況

海域別情報

日本海海域
対馬暖流強勢

本道西岸の対馬暖流が強くなっています。前回(10月)積丹半島西岸沖にあった暖水渦は、強くなった対馬暖流に取り込まれてしまったようです。このため、積丹半島西方から天売・焼尻島周辺まで100m層で11℃以上となっています。200m層においても、桧山沿岸から道北海域まで広く5℃以上の暖水におおわれ、積丹半島付近には平年より3℃以上高い、7℃以上の非常に高い水温になっています。道北の天売・焼尻西方はるか沖の武蔵堆南部でも、100mより深いところで平年より2~4℃水温の高い海域があります。
余市における11月下旬以降12月中旬までの沿岸水温(旬平均)は,11月下旬から12月上旬は「平年並み」でしたが、12月中旬は「やや低い」と推移しました。
道東太平洋海域
暖水塊から暖水伸びる

黒潮起源の暖水塊が北緯41度東経146度付近にあります(100m層で14℃以上)。この暖水塊から暖水が北西へ伸び、白糠沖まで達しています。このため白糠沖定線では表面水温で12℃以上の暖水域があります(北緯42度30分、東経144度付近)。100m層でみると、水温の高い暖水域が3つに分かれて見えます(たとえば、厚岸沖定線の10℃以上と、白糠沖定線の11℃以上および9℃以上の海域)。衛星画像を見ると、親潮は道東沿岸に沿って襟裳岬へ向かい、そこから暖水塊と津軽暖流の間を南下しているものと、暖水塊の東側を南下するものが見えます。
道南太平洋海域
津軽暖流は渦モード

時化のため日高沿岸まで観測できませんでした。衛星画像を見ると、前回(10月)に引き続いて津軽暖流は渦モード(*1)となっており、襟裳岬西方まで張り出しているようです。室蘭沖から噴火湾内では津軽暖流域に比べ水温が低くなっており、噴火湾内では津軽暖流水が冷やされ始めています。白老沖定線だけしかありませんが、水温についてみると、津軽海峡東口付近の津軽暖流域下層でやや高いところがある他は,ほぼ平年並みとなっています。
オホーツク海海域
宗谷暖流潜る

表層水温は,浜頓別から枝幸沖まで8℃台(一部で9℃以上)の宗谷暖流が見られます。紋別沖から知床岬までは東カラフト寒流におおわれ,ほぼ4℃以下となっています。50m層では網走沖まで,6℃以上となっており,100m層では、紋別と網走沖に8℃以上の暖水域があります。特に紋別沖では暖水が北東沖へ向かって張り出していることなどから、宗谷暖流が潜流となって流れていることがわかります。水温は,浜頓別沖の宗谷暖流域と暖流が潜流となって流れているところで平年よりやや高くなっていますが,知床半島周辺では平年より低いところが多くなっています。
資料
資料 観測期間 観測海域
青森水試(東奥丸) 2002年12月2日〜12月3日 (東北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2002年11月25日〜11月27日+11月29日 (道北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2002年12月2日〜12月5日 (オホーツク海南東部海域)
釧路水試(北辰丸) 2002年11月25日+12月3日〜12月4日+12月9日〜12月10日 (道東太平洋海域)
中央水試(おやしお丸) 2002年11月20日〜11月25日 (道西日本海海域)
中央水試(おやしお丸) 2002年12月4日〜12月7日 (道南太平洋海域)

*1:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

0メートル
    • 表面水温の図
50メートル
    • 50メートル層水温の図
100メートル
    • 100メートル層水温の図
200メートル
    • 200メートル層水温の図

PDFファイル

水温鉛直断面図

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