海況速報(2004年10月)

平成16年度 第4号(通算 No.100)
平成16年 11月 04日

北海道立水産試験場

9月下旬~10月下旬の海況

北海道周辺の海域は水温が高くなっています。
水温分布図では、欠測範囲が大きい道西日本海北部と南部の等温線は連続していません。

海域別情報

日本海海域
対馬暖流強勢

積丹半島西方が大きく欠測となりました。このため例年この時期に見られる積丹半島西方沖の暖水渦の位置や対馬暖流の流路がはっきりしません。衛星画像から見ると、対馬暖流は積丹半島西方で西へやや蛇行しており、暖水渦は形成し始めている様に見えます。また、100m層水温を見ると武蔵堆西方の45-00N、140-00E付近で等温線の間隔の狭くなっており、対馬暖流は武蔵堆西方から北へ向かって流れている様です。42-30Nの茂津多岬沖観測線では、西方沖合の観測がないため推定値となりますが、対馬暖流傾圧流量は平年より多く、約1.7Sv(Sv:百万立方メートル毎秒)と見積もられ、平年より0.6Sv程度多くなっています。水温偏差について見ると(水温偏差表参照)、道西日本海ほぼ全域で高めになっています。茂津多岬西方観測線(J41-J44)では、100m層水温が平年より1~3℃高くなっています。さらに、北部日本海でも例年より観測時期が遅いにもかかわらず、平年より高い水温となっています。天売・焼尻島西方の44-30N、140-40E付近(J23-J24)の50~100m層では平年より2~4℃水温が高くなっています。
余市における8月中旬以降10月中旬までの沿岸水温は、10月中旬まで「平年並み」~「やや低い」で推移していましたが、10月中旬には「やや高い」となっています。
道東太平洋海域
暖水塊出現

42-00N、145-30Eを中心に(100m層水温9℃以上)暖水塊があります。この暖水塊は前回(8月)まではこの観測海域に見えていませんでしたが、黒潮から切離し、南から北上してきたものと思われます。道東沿岸域では道東沿岸流(*1)が根室半島から襟裳岬へ向かって流れ、50m層で13℃以上となっています。水温偏差について見ると、前回(8月)に引き続き、道東沿岸流の流域で水温が高くなっています。特に厚岸沖の沿岸(P21-P22)では平年より1~3℃高くなっています。沖合では暖水塊のある海域は水温が高くなっていますが、それ以外の沖合は平年並みの水温が多くなっています。
道南太平洋海域
道南太平洋水温高い

100m層で10℃以上の津軽暖流は,襟裳岬南方の143-00Eの東まで張り出しており、渦モード(*2)となっています。道南太平洋は津軽暖流に広くおおわれています。噴火湾には塩分濃度33.8以上の津軽暖流水が入っています。水温偏差について見ると、噴火湾湾口部の白老から尻屋崎(P61-P64)にかけての海域では、50m層で4℃、100m層で3~4℃水温が平年より高くなっており、特に100m層水温は平成元年(1989)以来最高値となっています。一方、浦河から尻屋崎(P52-P56)にかけての海域では、平年より0~2℃水温が高くなっています。
オホーツク海海域
宗谷暖流順調

荒天のため知床半島北方海域が欠測となりました。表面水温では、宗谷海峡東沿岸で13℃、
網走沖沿岸で10℃となっていますが、50m層水温12℃以上の海域は網走沖まで達しています。このことから、宗谷暖流は順調に流れているようです。水温偏差について見ると、観測時期が例年より遅いため表層では水温偏差が低くなっています。
資料
資料 観測期間 観測海域
青森水総セ(青鵬丸) 2004年9月28日〜9月29日 (東北日本海海域)
中央水試(おやしお丸) 2004年10月6日〜10月12日 (道西日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2004年10月18日〜10月21日 (道北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2004年10月27日〜10月28日 (オホーツク海海域)
釧路水試(北辰丸) 2004年9月21日〜9月24日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2004年10月12日〜10月15日 (道南太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2004年10月18日〜10月20日 (道南太平洋海域)

*1:夏~秋季に道東沿岸を流れるオホーツク海起源の沿岸流を道東沿岸流と呼んでいます。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。
*青森水総セは青森県水産総合研究センター(旧青森水試)の略です。

水温平面分布図

0メートル
    • 表面水温の図
50メートル
    • 50メートル層水温の図
100メートル
    • 100メートル層水温の図
200メートル
    • 200メートル層水温の図

PDFファイル

水温鉛直断面図

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資源管理部 海洋環境グループ

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