海況速報(2007年08月)

平成19年度 第3号(通算 No.117)
平成19年8月9日

北海道立水産試験場

7月下旬から8月上旬の海況

今年度は燃油代高騰等財政事情により,海域によっては観測点の数を減らしています。

海域別情報

日本海海域
積丹半島南西沖と江差西方沖では,それぞれ43-00N,140-00Eおよび42-00N,139-00Eに中心をもつ暖水渦がみられます。また,100m層水温の水平分布図から,積丹半島北西沖と礼文島西方沖には,沖合冷水域の本道側への張り出しがみられます(例:水温3℃以下の等温線)。このため,対馬暖流は,道南~道西日本海では暖水渦の西方を,道西~道北日本海では,沖合冷水域の張り出しをさけるように蛇行しながら流れています。
表面水温は例年よりも低い海域が多くなっています(水温偏差表参照)。また,沖合冷水域の張り出しの先端部にあたるJ35,J36では,50m,100m層水温が例年よりも3℃以上低くなっています。他に50m,100m層水温が例年よりも6℃以上低い海域は松前沖のJ51であり,この極端な低水温化は下層水の上昇によるものと考えられます。
余市における旬平均水温は,6月中旬から7月上旬までは,非常に高いからかなり高いで推移していましたが,7月中,下旬ではほぼ平年並になっています。
道東太平洋海域
道東沿岸では道東沿岸流(*1)が流れています。また,道東沖合のP1線では,100m層を中心に沿岸親潮(*2)が南方はるか沖合41-00N以南まで分布しています。前回6月にはP2線上に小さな暖水塊(中心:42-15N,145-00E)がみられましたが,200m層水温の水平分布図から,今回もほぼ同位置に暖水塊がみられます。ただし,暖水塊の中心付近の水温は約3℃(前回の中心水温は5℃以上)であり,前回に比べ勢力はやや衰えています。また,P2線南側の観測点では,新たな黒潮系暖水(例:50m層水温の10℃等温線)が道東海域へ流入しています。
当海域の表面水温は,道東沿岸流が流れる海域で例年よりも1~5℃ほど低くなっています(水温偏差表参照)。また,黒潮系暖水が分布する白糠沖P33,P34および厚岸沖P24~P26では,50m,100m層水温が例年よりも4~6℃高くなっています。
道南太平洋海域
前回6月では,津軽暖流は沿岸モード(*3)でしたが,100m層10℃の等温線の分布から,津軽暖流は渦モードになっていることがわかります。
表面水温は,ほぼ例年なみですが,津軽暖流が及んでいないP6線の200m層では,水温が例年よりも約1℃低くなっています(水温偏差表参照)。
オホーツク海海域
表面,50m,100m層水温の水平分布から,例年通り,宗谷暖流は順調に流れています。また,表面水温の水平分布から,宗谷暖流の沖側に沿って水温13℃以下の冷水帯がパッチ上に分布しています。
表面水温は,おおむね平年並みですが,冷水帯の及ぶ海域で1~3℃低くなっています(水温偏差表参照)。
資料
資料 観測期間 観測海域
釧路水試(北辰丸) 2007年07月30日〜08月01日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2007年07月25日〜07月27日 (道南太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2007年07月29日〜07月30日 (道南日本海海域)
中央水試(おやしお丸) 2007年07月29日〜08月01日 (道北道西日本海海域)
稚内水試(おやしお丸) 2007年07月24日〜07月27日 (オホーツク海海域)

*1:夏~秋季に道東沿岸を流れるオホーツク海起源の沿岸流を道東沿岸流と呼んでいます。
*2:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*3:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

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