海況速報(2007年10月)

平成19年度 第4号(通算 No.118)
平成19年12月27日

北海道立水産試験場

9月下旬から10月下旬の海況

今年度は燃油代高騰等財政事情により,海域によっては観測点の数を減らしています。

海域別情報

日本海海域
前回8月の観測では,積丹半島の南西沖に暖水渦がみられましたが,今回の観測では,暖水渦は認められませんでした。例年,この時期には43-30N,140-00E付近に暖水渦ができますが,今年は,暖水渦にかわって沖合冷水が本道側に張り出しているようにみえます(例:表面水温では16℃,200m層水温では2℃の等値線)。このような沖合冷水の張り出しは道北日本海の44-30N,140-30E付近にもみられます(例:100m層水温の7℃の等値線)。対馬暖流は積丹半島のごく沿岸側を流れており,暖水渦の西側を迂回する例年の流路とは異なっています。
水温は,前述した沖合冷水の張り出し域を除いて,各層ともに例年よりも高くなっています(水温偏差表参照)。特に100m以浅では例年よりも2~6℃高い海域が広くみられます。前回8月の観測では,大部分の海域で水温が例年よりも低くなっていたので,この2ヶ月の間に水温が急速に上昇したことがわかります。
余市における旬平均水温は,8月ではやや低い~平年並で推移していましたが,9月~10月では,平年並み~かなり高いで推移していました。
道東太平洋海域
暖水塊あるいは黒潮系暖水の分布により,非常に複雑な水温分布になっています。暖水塊は41-30N,144-30E付近にみられ,中心付近の水温は100m層で約9℃となっています。また,P1線南側の41-00N,146-00Eでは,100m層水温が12℃台,200m層水温が7℃台になっており,先に示した暖水塊よりも規模の大きい暖水塊の分布が示唆されます。この暖水塊から派生したと推察される北上暖水が,42-30N,146-00E付近に分布しています(例:100m層水温の6℃の等値線)。
当海域の海面水温は,例年よりも低い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。また,海面を除いた各深度では,暖水塊の分布域で水温が例年よりも2~7℃高くなっています(水温偏差表参照)。
道南太平洋海域
前回8月に引き続き,津軽暖流は渦モード(*1)になっています(例:100m層水温の17℃等温線)。
水温は,P6線ではほぼ例年並みですが,P5線では,津軽暖流の渦モードの影響により,例年よりも約2~3℃高くなっています(水温偏差表参照)。特に,41-40N,142-20Eの深度100m以深では,例年よりも水温が約4~5℃高くなっています。
オホーツク海海域
海面,50m,100m層水温の水平分布から,例年通り,宗谷暖流は順調に流れています。また,宗谷暖流の沖側には,水温2℃以下のオホーツク中冷水が分布しています。
水温は,宗谷暖流の流れる沿岸域で2~3℃高くなっており,オホーツク中冷水の分布域では,例年よりも1~3℃低くなっている海域がみられます(水温偏差表参照)。
資料
資料 観測期間 観測海域
釧路水試(北辰丸) 2007年10月24日〜10月26日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2007年10月01日〜10月04日 (道南太平洋海域)
中央水試(おやしお丸) 2007年10月11日〜10月16日 (道西日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2007年10月01日〜10月02日 (道北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2007年09月26日〜09月27日 (オホーツク海海域)

*1:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

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