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Q&A 先月の技術相談から
Q:住宅の柱が逆さ柱※)とならないように,上下(末口と元口)を知りたいのですが,どのようにすれば簡単に見分けることができるのでしょうか?
A:残念ながら,確実に見分ける方法はありません。しかし,木目などの見た目からある程度の確率で判断できる方法がありますので,この方法の基本的な考え方について説明します。
 写真1に材の写真を示します。板などにタケノコ状の模様が見えている場合は,その太い方(写真の下側)が元口である,という場合が多いです。それは,次のように考えることができるからです。
末口

元口

写真1

 図1に樹木内部の年輪の様子を模式化したものを示します。樹木は,樹皮のすぐ内側に成長する部分を持ち,毎年外側(上と横)に向かって成長していきます。従って,年輪は円筒形ではなく円錐形に近くなっています。そして,これが何層にも重なっているわけですから,図のように製材し,その板目面を見ると,写真1のようにタケノコ状の模様が現われます。

 しかし,この模様だけでは,末口と元口がわからない場合も多々あります。この道何十年といったベテランの職人さんであっても間違ってしまうことがありますので,一般の方には判断がつきにくいことが多いです。林産試験場では,研究において末口と元口を明らかにしなければならないときは,伐採時あるいは製材する前に印を付けて区別しています。

図1 樹木の模式図と製材した板

※)逆さ柱とは・・・
 住宅の柱は,立木のときの上下と同じ方向に配置した方がいいといわれることがあります。逆さ柱とは,これを逆向きに配置したものを呼んでいます。これは,科学的な理由というより,言い伝えのようなものであると考えられます。

<鉋(かんな)がけと末口と元口>
 鉋がけをするとき,末口から削る場合と元口から削る場合で,表面のなめらかさの善し悪しが変わる場合があります。
 『鉋がけは,木表は末から元へ,木裏は元から末へ』ということが職人さんの世界では言われています。
 これは次のように考えられるためです。
 図1で示した図を例にとってみましょう。このように製材した場合は,繊維が木表面の元口側から木裏面の末口側に向かって進んでいます。従って,木表面では末口から元口の方向が,木裏面では元口から末口の方向が,繊維に逆らわない順目となります。広葉樹は道管があるため比較的わかりやすいですが,針葉樹では道管がないため早材と晩材のどちらが上にかぶさっているかなども判断の目安となります。
 木材は繊維に沿って切削することによって,表面をよりきれいに仕上げることができるのです。ただし,節等の欠点の部分は,繊維の流れに乱れが生じてしまうため部分的に逆目になってしまい,きれいな表面が得られなくなることもあります。
(技術部加工科 丹所俊博)
 
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