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林産試だより2005年5月号 職場紹介 利用部 成分利用科
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職場紹介  第14回 利用部 成分利用科
 成分利用科では,木材成分や森林バイオマスの有効利用に関する研究を行っています。

最近の研究内容

1)農・水産業における木質粉砕物の利用に関する研究
 木材は,さまざまな粒径に粉砕加工することが可能です。そのため,比較的低質な木材でも利用の幅が広がります。また粒径によって期間は異なりますが,木材の主要成分であるセルロース,ヘミセルロース,リグニンは微生物などにより最終的には二酸化炭素と水に分解され,樹木に再び利用されることが可能となります。したがって,木材は環境にやさしい素材ということができます。
写真1 耕作地における木材チップ疎水材の施工状況 農業分野においては,耕作地の水はけを良くするために,暗渠疎水材として使用する場合の木材チップの特性を検討しました。その結果,排水性や耐久性の優れた資材であることが明かになり,利用の拡大が図られています(写真1)。

 水産業分野においては,水産廃棄物の処理資材としての木質粉砕物の特性を調べています。北海道沿岸で混獲されるヒトデと木粉を混合し,比較的短期間に発酵処理することで,土木緑化資材として利用可能であることを明らかにしています。

2)ササの利用に関する研究
写真2 乾燥防止処理されたササばらん ササは,葉を食品の包装として,また稈(茎)を農作物の支柱や籠などの生活道具の材料として古くから用いられてきました。北海道におけるササの資源量は1億5千万トンと推定されています。これは本道の木材資源量に換算すると約20%に相当し,立派なバイオマス資源ということができます。
 当科では,ササの葉や稈を高温・高圧の水蒸気で処理することにより,ヘミセルロース由来のオリゴ糖を製造する技術を開発しています。得られるキシロオリゴ糖は整腸作用を有するため,健康食品や菓子などに利用されています。
 また,ササの葉は“ばらん”など日本料理の装飾として欠かせないものとなっています。しかし,美しく切り細工された葉も乾燥により形や色が宴席中に台無しになってしまうことがあります。このため,食品衛生上安全な薬液を用いることにより,乾燥による葉の収縮や色の変化を防止する技術を開発しました(写真2)。


写真3 蒸煮装置

設備

 成分利用科には,木材成分の定性や定量に関する種々の分析装置,高温・高圧によって木材を改質する蒸煮装置(写真3),溶液中の水分を除去して粉末化するスプレードライヤーなどがあります。


技術支援

 成分利用科では,木材成分の定性や定量などの分析や情報の提供を行っています。また,森林バイオマスの利用に関する技術的な相談にも対応しています。どうぞご利用ください。

 
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