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林産試だより2007年9月号 行政の窓 平成18年木材・木製品の貿易動向について

行政の窓

平成18年木材・木製品の貿易動向について

 【我が国の木材貿易】


 我が国の木材輸入額は,林野庁「2006年木材輸入実績」によると,紙・板紙類,パルプを除き,平成18年は138百億円(前年比115%)となりました。 国別輸入額は,マレーシアからの輸入が最も多く,2千億円(前年比131%),次いで中国は1千8百億円(前年比112%)と続き,2か国を合わせると全体の28%を占めています。品目別の輸入量及び輸入額は,丸太1_058万m3(前年比99%)2_135億円(前年比114%),製材は850万m3(前年比101%)3_179億円(前年比110%)で,丸太・製材とも輸入量はおおむね前年並みでしたが,輸入額は世界的な木材需給環境や原油高,為替の影響等から増加傾向となっています。

 丸太輸入量の46%は北洋材が占め,財務省「貿易統計」から樹種別にみると,道産材と競合するモミ・トウヒ属(エゾマツ・トドマツ)は,平成17年679千m3から平成18年520千m3へと23%減少し,一方,平成17年以降,道内への輸入実績がないカラマツにあっては,合板用原料としての需要増により,平成17年260万m3から平成18年300万m3(前年比115%)へと増加しています。


 【北海道の木材貿易と輸入材率】


 平成18年北海道の木材・木製品の輸入実績は,財務省「貿易統計」によると,紙・板紙類やその他木製品も含め,総額で867億円(前年比106%)となりました。

図 平成18年木材・木製品輸入額

 主要品目別ではチップが242億円(前年比102%)と最も多く,丸太は94億円と(前年比91%)減少したものの,製材及び合板はそれぞれ171億円(前年比121%),114億円(前年比130%)と大幅に増加しており,全国と同様に,国際的木材需給の逼迫(ひっぱく)や船運賃高,円安・ユーロ高の影響等により,輸入額の増が顕著となっています。

 近年,住宅着工戸数は5万戸前後で推移するなか,輸入丸太が減少する一方,人工林資源が成熟期を迎えている道産材の利用が一層拡大することが予想されることから,輸入材率は,昭和63年に(集成材が未集計ではあったが)49.7%を示して以来,50~60%で推移してきましたが,平成18年度の需給見込,平成19年度の見通しにおいて,再び50%を下回ることが見込まれています。


 【北海道の丸太輸入動向】


 丸太輸入量は,年々減少を続け,平成9年の1_864千m3から平成18年387千m3と,1/5まで激減しています。

 北洋材は,2008年のオリンピック等国際的イベント開催を控え,国内の主要都市で建設ラッシュに沸く中国や堅調な経済成長を続ける韓国等との競合により木材価格の上昇もあり輸入量は減少し,米材は,アメリカの住宅着工戸数が減少に転じたものの,原油高や円安等の影響から漸減傾向が続いており,南洋材も,資源的制約やインドネシアによる丸太の輸出規制等により減少し,それぞれ平成9年の約20~30%に満たない状況となっています。

左:表 北海道の丸太輸入量,右:図 丸太輸入量の推移


 【針葉樹製材の輸入】


 針葉樹製材の輸入量は,平成10年に景気の低迷や住宅着工戸数の減少等による木材需要の減少から一時的に落ち込みましたが,平成11年以降は,35万m3前後で推移しています。

 主要国別に見ると,平成9年に72%あったカナダのシェアは平成18年には47%まで落ち込み,ヨーロッパは平成9年の18%から平成18年は46%と増え,カナダと二分するほどに拡大しています。特に,平成18年は,ユーロ高や原油高が進んだにもかかわらず,ヨーロッパの輸入量は前年比118%と増加し,国別ではスウェーデンからの輸入量が20千m3(前年比80%)と減少したものの,フィンランドは80千m3(前年比104%)で推移し,オーストリア46千m3(前年比159%),ルーマニアは21千m3(前年比 175%)と突出した伸びを示しています。

左:表 針葉樹製材輸入量,右:図 製材輸入量の推移

表 平成17・18年針葉樹製材のヨーロッパ主要国別輸入量


 【構造用集成材の輸入】



図 構造用集成材の推移

 構造用集成材の輸入量は,平成12年以降,おおむね37~40千m3で推移しており,平成18年は住宅着工戸数が伸び悩んだこと等から,輸入量は37千m3にとどまっています。

 ヨーロッパからの輸入は30千m3と全体の83%を占め,特にフィンランドはヨーロッパの78%を占めています。

 また,近年,カナダやアメリカからの輸入が急激に落ち込んだ一方,中国やロシアからの輸入は堅調に推移しています。

表 構造用集成材輸入量


 【今後の輸入動向への影響~ロシア輸出税の引き上げ】


 平成19年2月7日,ロシア政府は国内の木材加工体制を強化しようと,丸太輸出税の段階的引き上げを決定しました。この決定は日本のみならず中国や北欧圏諸国等を始めとした木材消費国にとって大きな問題となっています。既に7月1日から輸出税の20%引き上げが施行されており,最終的に平成21年に予定される輸出税80%への引き上げが実施されるとすれば,木材市況の高騰のみならず,木材産業界の原料確保への影響が懸念されています。

(水産林務部林務局林業木材課木材産業グループ主査(貿易調整))

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