道産木材データベース


スギ



名称 和名:スギ
   漢字表記:杉
英名 Japanese red cedar
学名 Cryptomeria japonica D. Don.
分類 スギ科(ヒノキ科)スギ属
分布 本州,四国,九州,屋久島
生態・形態
 スギは日本の固有種であり,青森県から屋久島にかけての暖・温帯に自生する。斜面下部などの湿潤で有機質に富む土壌を好む。天然林で残るものは多くない。
 長寿で,高さ50m,太さ2m(まれに4m)になる。樹冠は円錐形。樹皮は赤褐色から暗赤褐色で縦に細長く裂け,繊維状にはげる。枝はよく分かれ房状になる。葉は,かま状の針形でらせん状に枝(茎)を包む。葉の基部は太く枝と一体状となる。葉色は濃緑色。冬期,茶褐色となることがあるが春には戻る。葉の横断面は菱形で四面に気孔線がある。
 太平洋側,四国,九州のオモテスギと日本海側のウラスギに分けることがある。ウラスギはしなやかな枝と細く軟らかめの葉を持ち,樹冠に乗った雪が滑り落ちやすいので雪害を受けにくい。積雪圧による自然とう汰を受けた結果とされる。また伏条性があり,垂れ下がって接地した枝から根をおろす。
 スギの名は「すぐ(まっすぐ)」からというのが定説。古くから選抜・育成された地方的な林業品種,園芸品種が多く,北海道(南部が主体)を含め日本全土に植えられる。2008年現在,日本の人工林面積の45%,蓄積の57%がスギである。北海道のスギ人工林は7~10齢級を主体に約3万2千ha,800万m3。利尻島には日本最北端の造林地(1967年植栽,1ha)がある。


木材の性質
 心材は色の変異が大きく,淡紅色(通常,赤心(アカジン)と呼ぶ)から黒褐色(黒心(クロジン)),辺材は淡黄白色から淡褐色。心材,辺材の境は明らか。年輪ははっきりしており,肌目はやや粗い。日本の針葉樹の中では軽軟な部類に入り,木理もまっすぐなので加工がしやすい。乾燥が容易。心材の保存性は中庸だが,水湿や虫に比較的強い。独特の芳香をもつ。天然木と植栽木,成長経過等の違いにより,比重や強度,硬さなどの値が著しく変動する。

 木材の性質それぞれの意味については,「トドマツ」の項で説明しています。


主な用途
 古代から生活と結びついた日本を代表する木材。土木,建築(柱・板),天井板,磨き丸太,家具,器具,曲げ物,経木,下駄,装飾品など,実用品から高級品まで用途は広い。人目に触れるものには通常,心材が淡紅色や赤褐色程度のものが使われる。独特の芳香は酒樽や菓子箱,割り箸などに活かされる。葉は線香,樹皮は屋根ふきや造園の材料となる。古くは造船や電柱に使われた。
 仏壇の屋久スギ,床柱の北山スギと言われるように,産地により特徴あるブランドが形成される。北海道では渡島・檜山地方を中心に年間2万m3ほどの製材が出荷されるが,その9割が道外向けである。道南ではスギ造林の歴史が郷土樹種以上に古く,50年ほど前までは住宅建築にスギ材がよく使われたが,1954年の台風被害の処理で大量に出回った安価なトドマツ材に追いやられたと言われる。

引用(木材の性質に関する数値等)

・日本の木材:(社)日本木材加工技術協会 1989

参考

・図説樹木学-針葉樹編-:矢頭献一 朝倉書店 1964
・原色日本植物図鑑 木本編【II】:北村四郎・村田源 保育社 1979
・木の情報発信基地 世界の木材:中川木材株式会社 http://www.wood.co.jp
・樹の事典 美しい森と自然の素材:朝日新聞社 1984
・(財)日本木材総合情報センター:http://www.jawic.or.jp
・外材と道産材-材質による比較(針葉樹材):佐藤真由美 北海道立林産試験場 林産試だより 91年5月号
    http://www.fpri.hro.or.jp/rsdayo/25257023001.pdf

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