社団法人 林木育種協会
第55回林木育種賞を受賞しました。

受賞者 北海道立総合研究機構
林業試験場森林資源部経営G  主査(育種)  来田 和人
課題名 炭素固定能が高いグイマツ雑種F1の選抜と育苗・育林技術の確立
研究概要

グイマツを母親、カラマツを父親とするグイマツ雑種F1は初期成長と材の容積密度がカラマツより大きい。
その特徴に着目し、グイマツ雑種F1の中でも炭素固定能が高い家系「クリーンラーチ(グイマツ精英樹「中標津5号を母樹とする家系」)を開発した。
そして、選抜した優良家系の種子を雑種率9割で効率的に生産できる採種園の造成方法を確立した。
また、少ない種子でも開発した家系を短期間で事業用造林に供することができるように、1本の苗木を7倍にできるさし木苗木生産技術を開発するとともに、生産規模拡大に向けて生産技術の改良を進めた。
さらに生存率が高く材質が優れているという「クリーンラーチ」の特徴を生かした低密度植栽・低コスト林業を提案、実証し、現在では造林補助対象となる植栽密度の下限値が1500本/haから1000本/haに引き下げられている。
これらの成果を示したパンフレットを作成し、林業関係者や一般の方々へ積極的に成果を普及した。
その結果、平成23年度には民間の苗木生産者によって生産されたクリーンラーチのさし木3万本が事業造林に供されている。現在、年間100万本規模でさし木苗木が可能な種子生産体制(採種園の整備)が整っており、今後、飛躍的に生産量が増大すると期待されている。
以上のようにその業績は、優良家系の選抜のみならず、優良家系の種苗生産方法の確立や優良家系に適した育林方法を明らかにしており、林木育種の推進に寄与するところが大きい。
また、農林水産技術会議委託プロジェクト「森林・林業分野における温暖化緩和技術の開発(H22-26)」においてクリーンラーチの温暖化適応性を明らかにし二酸化炭素削減効果の予測モデルの構築に取り組んでおり、日本の温暖化ガス削減に寄与すると期待されている。

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