【普及奨励事項】
「北見42号」の概要

作物育種  課題の分類
場所名  北海道立北見農業試験場
新品種候補系統名  北見42号

来歴: 育種目標: 短強稈・多収・良質
交配: 昭和43年度、北海道立北見農業試験場
組合せ: (北見18号×北見19号)F1×北系320
育種法: 系統育種法
育成経過: 昭和45年度 F2個体選抜、以降系統選抜
昭和47年〜50年度 生産力検定予備試験
昭和48・49年度 系統適応性検定試験
昭和48年度以降 特性検定試験 昭和51
年度(F8)〜54年度(F11)生産力検定本試験

特性: (長所) 1.粉色よく、麺適性良
2.短強稈、多収(多雪地帯除く)
3.赤銹病に極強
(短所) 1.耐雪性劣る

試験成績:
1.育成地における成績
 1)標準栽培(昭和51〜54年度 4カ年平均)
系統及
品種名
冬損
程度
越冬株
数歩合
%
出穂期
月・日
成熟期
月・日
稈長
cm
穂長
cm
穂数
本/㎡
倒伏
程度
赤さび
病%
ウドンコ
北見42号 100 6.21 7.30 88 7.2 704 0〜1 ビ〜少
ホロシリコムギ 100 20 29 93 8.4 557 ム〜ビ 16 ビ〜少
ムカコムギ 100 19 31 100 8.6 651 ム〜甚 6

系統及
品種名
kg/a 子実重
歩合%
対標
準比
%
L重
g
千粒重
g
硝子率
%
品質
総重 稈重 子実重
北見42号 (138.8) (70.4) 51.0 (32) 107 768 36.6 23 上下
ホロシリコムギ (137.2) (69.2) 47.8 (31) 100 775 42.0 79 上下
ムカコムギ (122.0) (58.9) 46.0 (35) 96 765 38.3 79 上下

系統及
品種名
原粒 製粉
歩苗
%
BM率 ミリング
スコア
60%粉 アミロ
グラム
MV
  Bu
製麺
試験
評点計
灰分
%
蛋白
%
灰分
%
蛋白
%
カラー
バリュー
北見42号 1.50 10.8 70.0 60.9 79.5 0.49 8.8 3.80 625 19.4
ホロシリコムギ 1.62 11.8 70.9 44.3 77.8 0.51 10.4 4.14 522 15.0
ムカコムギ 1.56 11.0 72.4 44.4 80.0 0.52 10.0 5.09 370 15.3

2)多肥栽培(昭和51〜54年度 4カ所平均 ただし子実重は54円除)
系統及
品種名
出穂

月日
成熟期
月日
稈長
cm
穂長
cm
穂数
本/㎡
倒伏
程度
子実重
kg/a
対標
準比
%
品質
北見42号 6.21 7.31 86 7.4 700 ム〜甚 (56.4) (118) 上下
ホロシリコムギ 20 30 93 8.8 637 ム〜多 (47.8) (100) 中上°
ムカコムギ 18 30 97 9.0 698 (47.0) (98) 上下

2.配付先における成績
 1)奨決基本調査(昭和52〜54年)及現地試験(昭和53.54年)
系統及
品種名

基本調査 現地試験
中央 十勝 上川 原々種 京極 伊達 富良野 本別 更別 女満別 清里
北見42号 ホロシリ
比%
76 101 79 47 90 102 113 107 108 101 103
標準
ホロシリコムギ
kg/a 49.0 47.3 38.5 38.9 47.8 57.6 48.8 51.7 54.5 49.9 57.0
参考
ムカコムギ
ホロシリ
比%
96 92 105 112 - - - - - - -

配付しうる種子量:680kg

採用予定県及び普及見込み面積:北海道   30,000ha

栽培適地:十勝、網走管内に適応する。ただし、多雪地帯を除く。

栽培上の注意:
 (1)冬枯れ防除は、防除基準によって徹底をはかる。
 (2)成熟期後の水分乾減が早いため、晩刈りの遭雨では、低アミロ、穂発芽の危険性が高まるので適期に収穫する。
 (3)他の品種とは、加工適性を異にするので混合しないこと。